「気持ち悪い」が「かわいい」に変わる瞬間 "60匹のカエル"と暮らす主婦が語る驚きの魅力

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シュレーゲルアオガエル
シュレーゲルアオガエル。日本の固有種で、本州、四国、九州地方などに分布する(写真提供:ぴよさん)

「アマガエルより少しだけ体が大きい種で、値段は1000円くらいだったかな」

カエルは熱帯魚などを販売しているペットショップや爬虫類イベントのほか、ヤフーオークションでも取引されているという。

このシュレーゲルアオガエルの魅力にはまり、今度はオタマジャクシから育ててみたくなった。しかし、オタマジャクシからカエルまで育てるのは難しい。オタマジャクシのときは雑食性だが、カエルになると肉食に変わる。しかし最初はうまく自分で虫を採ることができず、死んでしまう個体が多いという。

ぴよさんは、カエルに変態できずに死んでしまうことも考え、シュレーゲルアオガエルのオタマジャクシを10匹迎えた。

「そしたら、全部元気なカエルになっちゃったんです。この時点で前のアマガエルと合わせて20匹以上。こんなふうに、どんどん増えていきました」

「気持ち悪い!」の反応に奮起。「カエルのかわいさを伝えたい」

ぴよさんは長女を筆頭に、3人の子どもを育てる主婦だ。夫を合わせて家族5人で西日本に暮らしている。最初は長女と一緒に世話をしていたが、いつの間にかぴよさん一人がのめりこんでいた。長女はときどき「あの子どうしてる?」と聞いてくるぐらい。下の子どもたちもカエルにはあまり関心がないそうだ。

これだけ大量のカエルを飼育していればとがめられそうなものだが、幸運にもぴよさんの夫はカエル飼育に寛容だった。

「夫は、『ちゃんとお世話できるならいいんじゃない?』って言ってくれます。でも、特にカエルに興味はないみたい」

カエルが話題の中心になることもほとんどない。家族で囲む食卓で、誰かが物を落として大きな音が鳴ると、それに呼応するように「カエルの合唱」が始まる。家族はそれに驚くでもなく、「あ、鳴いてるね~」と受け流すのだという。

家族にとって、カエルは生活の一部のようなものだ。

「世話をしていると、それぞれ性格があるんですよね。臆病だったり、人懐こかったり、気分屋だったり。動きも、他のカエルに体当たりしたり、私の指をくわえてみたり、意外性があっておもしろい。同じ種類でも、一匹ずつ個性があるんです」

ミヤコヒキガエルのアンバー
ミヤコヒキガエルのアンバー。ぴよさんをじっと見つめる姿が犬のよう(写真提供:ぴよさん)
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