かわいい、と言われれば、かわいいようにも見えてくる。
ペタペタと湿った動作で飼い主の手のひらに乗ってくるカエルたち。ぬらっとした皮膚の下にシリコンジェルを詰めたような、ひんやりとした弾力のある体。
「カエル」という生き物の前で、感情が「かわいい」と「怖い」の間をせわしなく行き来した。正面からその顔を見つめてみる。丸い輪郭に大きな目、口角の上がった口。まるでこちらに笑いかけているようだ。
けろけろけろっぴに、見えなくもない。感情のパラメーターが、「かわいい」側に少しだけ傾いて止まった。
「笑っているように見えるでしょう?立ち上がると、お腹がまん丸で赤ちゃんみたいなんですよ」
ぴよさん(仮名)は、自宅で20種類、計60匹のカエルと共に暮らしている。
きっかけは、長女が拾ってきたアマガエル
そもそも、なぜこんな事態に陥ったのか。ときは6年前に遡る。
「当時小学生だった長女が、アマガエルを拾ってきたことがきっかけでした。私は特別カエルが好きというわけではなかったんですが、飼うならちゃんと飼育方法を調べようと思ったんです」
子どもの頃、ぴよさんも長女と同じように、ヤモリを捕まえて飼おうとしたことがあった。しかし、子どもだったため飼い方を知らず、すぐに死なせてしまった。その経験があったからこそ、今度はちゃんと長生きさせてあげたいと思ったという。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら