ウクライナ戦争がこのまま越年し、2026年2月末以降5年目に突入する可能性が高まった。
トランプ政権による和平仲介のヤマ場だった、25年12月初めのクレムリンでのプーチン大統領とウィトコフ米和平交渉担当特使との会談は、突破口を開けないまま終わった。内容がロシア寄りと批判を招いた米和平案をなぜ、クレムリンが突き返したのか。そして、さらに戦争の早期終結が見通せなくなった背景にある、米ロ両首脳間の根本的な思惑の違いに迫ってみよう。
「いくつかの項目には同意できたが、プーチン大統領はそのほかのいくつかの項目には否定的対応だった」
会談後、ロシアのウシャコフ大統領外交担当補佐官はこう評した。具体的に「いくつかの項目」が何なのかについては触れなかったが、最大の障害がロシアへのウクライナ領土の割譲問題だったことは明らかだ。
和平案ではウクライナ軍が現在死守している東部ドネツク州の約20%に相当する領土をロシアに引き渡すことになっている。これはロシア側の主張を反映させたものだが、ゼレンスキー政権は憲法上許されないと拒否している。英仏独など欧州も強くウクライナの主張を支持している。
トランプとプーチンは同床異夢だった
しかし、今回アメリカによる仲介が暗礁に乗り上げた背後には、もっと根本的要因がある。それはこの紛争にかけるプーチン、トランプ両大統領のそれぞれの思惑が「同床異夢」と言えるほどに異なることだ。



















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