ただ、どんな本であっても自分のものにするためには、ただ読むだけではダメだ。あなたがどんな本を読むかよりも、その本をどのように自分に落とし込むかのほうが大事だ。それではじめて、自分のなかになにかを残せるからだ。
ゲイツも実践! 詰め込みに留まらない読書
ビル・ゲイツは歴史や人文、経済、科学、自己啓発、小説などジャンルを問わずさまざまな本を読むことで有名だが、彼はどんな本を読むときも思いついたことや気づきを本の余白にメモしておくという。これは、本の内容をより深く理解して、自分のものとして落とし込むプロセスといえる。
つまり、本を読みながら「考える力」を鍛えて、考えの幅を広げているのだ。
わたしも本を読むとき、メモを残しておくほうだ。ただ、思いかえしてみると、わたしは偉大な投資家の成功談よりも失敗談から学ぶことが多かった。
『欲望と幻想の市場──伝説の投機王リバモア』という本が好きな理由も、100年前の株式市場で起こった出来事をほぼすべて経験した著者の、成功談と失敗談が包み隠さず紹介されているからだ。今の投資家たちと同じような悩みに直面する彼を通して「今の自分ならどうするか」を考えるきっかけになる。
お金の知識を得るために、どういう本を読むべきかを知りたいあなたにとって、わたしの答えは期待外れだったかもしれない。
でもわたしは、知識よりも大事なのは「視点」なのではないかと思う。
豊富な経済知識を持つ人が、必ずしも投資がうまいとはかぎらない。投資のテクニックを100個知っているよりも大事なことは、人が見ていないものを見て、人が考えていないことを考えて、人とちがう視点でモノを見る方法を知っているかどうかだ。
幸運なことに、この世にはあなたが一生かけても読み切れない量の本がある。あなたが必要だと感じる本から読みはじめて、それをゆっくり自分のものにしていってほしい。
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