ミスコンに出て人見知りを克服し、コミュニケーション能力を向上させた松本さん。そのエピソードだけを聞けば「営業職を希望するのでは?」と思われるかもしれない。
しかし、松本さんが営業職ではなくバックオフィスを希望したのには、明確な理由があった。
ミスコン出場後、芸能事務所に所属するも…
「ミスコンを通じてさまざまな経験をさせていただくなかで、自分は表に立つよりも、誰かを支える裏方のほうが合っていることに気付いたんです」
松本さんはミスコン活動を通して、人見知りの克服をはじめ、多くの面で人間的な成長を遂げた。その経験は松本さんの大きな財産になっていることは事実だ。
一方で、表に立つ活動にはさまざまな負の側面も存在する。その現実を、松本さんはミスコン後に所属した芸能事務所セント・フォースでより痛感した。
「セント・フォースに所属したのは、ミスコン後に声をかけていただいたのがきっかけです。芸能界に行くためというよりは、『せっかくミスコンに出たから経験としてやってみよう』ぐらいの気持ちでした。でも、いざ入ってみると、テレビ番組のちょっとしたレポーターの仕事でも、セント・フォース含め他事務所の子がたくさんオーディションを受けに来て、そのなかで選ばれてやっとお仕事をいただける、みたいなことばかりで、競争社会であることを実感しました」
明確な順位が付くミスコンでも、同時に競うのはせいぜい数人程度。しかし、芸能界には何千、何万という競争相手が存在する。その世界で勝ち残っていくためには、常に自分をアピールし続けなければならない。
しかしながら、人見知りを克服したとはいえ、そもそも松本さんは自己主張が強いタイプではない。そのため、オーディションでも自分を積極的にアピールできず、合格をもらえることは数えるほどだった。
そういった経験を経て、松本さんは「自分をアピールすることは向いていない」ことに気づいた。そして、その気づきは営業職を選択しなかった理由にも通ずることであった。
「セント・フォースでの経験を経て、改めてその決断は間違いではなかったと思いましたね(笑)」



















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