このトンネルは、長さ2850mとそれほど長大な規模ではないものの、NEXCO中日本のホームページに掲載された「新東名高速道路(海老名南JCT~御殿場JCT)連絡調整会議(第7回)」の説明資料(2025年11月4日版)によると、「脆弱な地山の出現や湧水の発生が想定以上に広範囲に及ぶなど、自然的要因によって掘削が難航している」という。
「脆弱な地山」については、「高松トンネルの地山に点在する緑色凝灰岩は、地山の状態では安定しているが、掘削後、水に触れると、浸水崩壊・膨張する性質が強く、その結果、トンネル内空断面の変形が生じている」としており、掘削して初めてわかったことだといったニュアンスが読み取れる。
そのため、開通時期については、「2025年秋時点で、今後の掘削が50m/月程度と順調に進んだとしても、貫通までに少なくともあと1年以上を要する」としたうえで、「新秦野IC~新御殿場ICの開通時期については、予定していた2027年度から少なくとも1年以上遅延する見込み。今後、工程精査を進め、高松トンネル完成の見通しが立った段階で改めて開通時期を公表する」という、かなり悲観的な書きぶりとなっている。
並行する「東名大井松田IC~御殿場IC」間は、東名で唯一の山岳区間といってよく、勾配もきつくカーブも多い難所の区間だ。早い開通が待たれるが、まだ苦戦が予想される。
8年半を経ても全通しない新名神
新名神は、最も混雑が激しく、渋滞が頻発する「名神草津JCT~高槻JCT」を迂回するルートの工事が進められているが、開通したのは「城陽IC・JCT~八幡新田辺IC・JCT」のわずか3.5kmのみ。しかも、この区間の開通は2017年4月なので、すでに8年半が経過している。
こちらも、NEXCO西日本が2024年12月に発表した資料には「軟弱な地層が多く工事に時間を要しているため、完了は少なくとも4年以上、工事の進捗によってはさらに1~2年かかる」と記載されており、やはり予想以上に地盤が軟弱であることが障害になっているようだ。これを素直に読めば、開通は早くても2028年以降となる。



















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