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日本は「中古高級ブランド市場」の中心地になった

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「ALLU」表参道店のヴィンテージ商品Photographer: Ko Tsuchiya/Bloomberg

健全な需給サイクル

早稲田大学ビジネススクールの長沢伸也教授は、高品質の中古デザイナー品の豊富さこそが、日本の市場を他国と差別化していると指摘。バブル期から始まったトレンドで、歴史的な観点から高級品市場への「日本の貢献は非常に大きい」と話す。

中古市場で流通しているバッグのほとんどは、長い間クローゼットの中で眠っていた。生活費の上昇と1990年代ファッションの再流行を受け、「ずっと昔に買った物にはもう飽きてきたし、 高く売れるのなら手放してもいい」という消費者心理から売却が急増し、ヴィンテージ市場で健全な需給サイクルを生み出しているという。

長沢教授によると、日本のヴィンテージ品の人気が高いのは、偽物が少なく購入に安心感があることや、円安でインバウンドによる購入が増えていること、メンテナンスが良く新品同様の物が多いことが背景にある。

しかし、中古市場の需要は円安と密接に連動しているため、為替相場の動きによっては好況が失速する可能性もある。

バリュエンスの嵜本氏は、円が上昇すれば「多少なりとも影響を受ける」と話す。一方、AMOREの最大の顧客は米国からの観光客だ。旅行費用が高くなれば訪日客が減少する恐れがある。

米関税を逆手に

バリュエンスホールディングス代表取締役 嵜本晋輔氏Photographer: Ko Tsuchiya/Bloomberg

AMOREの板倉氏は、米国の関税措置などは自社に好材料にもなるとみている。「オンライン販売は関税があると厳しい」が、「 逆に言えばそれが日本で買うモチベーションになる」と指摘する。来日して直接商品を入手する動きがますます広がっているという。

米国の関税措置は、ジャン氏が日本へ買い付けに出向くようになった理由の一つだ。現地で直接交渉することで、「まとめ買いをする代わりに関税の一部を負担してもらうよう売り手を説得する機会が得られる」と話す。

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