急激な血圧の降下は「失神」を招くことも…【高血圧を気にしている人】が抱きがちな"4つの誤解"

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この症状を、排尿失神と呼びます。これまで、患者さんだけでなく、大学時代の友人など、排尿後にトイレで倒れてしまった経験のある人を何人も見てきました。飲酒後や、あるいは行きたいタイミングでなかなかトイレに行けない接客業の仕事後に起こるケースが多いです。

高血圧に悩む人にとって、血圧が下がるのはありがたいことなのですが、ものには限度があるということ。急降下はまったく歓迎できません。

じつは家の中でもさらされる「寒暖差の危険」

ほてった体に冷たい飲み物や冷房でキンキンに冷えた屋内の空気は芳しくないことを述べました。急激な寒暖差は、血管に悪影響をおよぼしてしまいます。

そして、寒暖差に注意すべきなのは、外出をともなうケースだけとは限りません。屋内で過ごしているときも、できるだけ気をつけなければいけないポイントがあります。とくに危険度が高いのが、冬場のトイレ、お風呂の脱衣場、廊下です。

どこのご家庭も冬場は通常、リビングをはじめ長時間過ごす部屋は暖房でポカポカにしているでしょう。それに対し、トイレ、お風呂の脱衣場、廊下はどうでしょうか。

ふだんそこに人が長時間いる場所ではないので、そもそも暖房を設置していないというケースがほとんどだと思います。

しかし、日常生活を送っていれば必ず、暖かい部屋からこれら冷えきった場所におもむく瞬間が訪れるはずです。そのときに、血圧が大きく上昇してしまうことがあるので、上着を羽織るなどしてケアに努めましょう。

お風呂の脱衣場の場合、暖かい部屋から移動してきたときだけでなく、お風呂で体が温まった状態で出てくるときも、寒暖差の危険にさらされます。血圧が急上昇して、不整脈や失神にとどまらず、心筋梗塞や脳卒中など、命にかかわる症状に陥るケースもあるので、用心に用心を重ねてください。

電気代や燃料費の問題は頭が痛いかもしれませんが、高血圧の人がいるご家庭は、浴室や脱衣場への暖房器具の設置を検討しましょう。命にはかえられませんから。

もう1点、冬場の屋内で注意したいのは、誰もいない家に外出から戻ってきた際の防寒着を脱ぐタイミングです。

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