急激な血圧の降下は「失神」を招くことも…【高血圧を気にしている人】が抱きがちな"4つの誤解"

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

甘草は漢方薬の約7割に使用されているので、高血圧症の人やカリウム不足の人が漢方薬を服用する場合は、細心の注意を払わなければなりません。

「漢方薬は副作用がない」は誤った認識

また、甘草は漢方薬だけでなく、味噌や飴などの食品や、歯磨き粉に使われることもあるので、口に含むものの成分表には、つねに意識を向けるようにしましょう。

『血圧を下げるのに減塩はいらない!  ナトカリ比であなたの血圧は下がる』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

私がこれまで診てきた患者さんのなかにも、甘草に含まれるグリチルリチンが高血圧の原因のひとつになっていると判断できた事例はいくつもあります。

その大半が「漢方薬は副作用がない」という誤った認識を持ち、自ら薬局で購入し、それも複数の漢方薬を同時に服用していたパターンです。

そして、それをやめてもらったところ、血圧も血液中のカリウム値も正常に戻った、というケースは枚挙にいとまがありません。

グリチルリチンには、抗炎症作用、抗アレルギー作用、肝臓保護作用などがあるので、私自身、甘草が入った漢方薬を処方することはありますが、偽性アルドステロン症やカリウム値の低下が起こらないように、常時警戒しながら分量を調整しています。

そして、患者さんがその薬を長期服用する場合は、血圧を測定し、定期的に血液検査を受けてもらうようにしています。

くれぐれも、漢方薬、それも甘草の入ったものを侮らないようにしてください。

渡辺 尚彦 高血圧専門医、医学博士

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

わたなべ よしひこ / Yoshihiko Watanabe

高血圧専門医。日本歯科大学病院内科臨床教授、早稲田大学客員教授、聖光ヶ丘病院顧問、前東京女子医科大学東医療センター内科教授。専門は高血圧を中心とした循環器病。1952年、千葉県木更津市生まれ。1978年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業、1984年、同大学院博士課程修了。1995年、ミネソタ大学時間生物学研究所客員助教授として渡米。1987年8月から連続携帯型血圧計を装置し、以来、365日24時間血圧を測定。現在も引き続き連続装着記録更新中。楽しく、わかりやすい指導には定評がある。『ズボラでもみるみる下がる 測るだけ血圧手帳 』(アスコム刊)など著書多数。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事