"老後貧乏"は40代で決まる! 「教育資金」と「老後資金」はどちらを優先すべきか…人気FPがガチ指南

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つまり、40代の今から「毎月5万円」を目安に個人に合った積み立て投資をしていけば、ほかに難しいことは考えなくても、40代の資産形成はそれだけでOKと言っていいのです。

もちろん株式投資にはリスクもあります。しかし、世界経済はずっと成長を続けています。経済が成長を続ける限り、株価は上がり続けます。またNISAは株式運用を後押しする国の施策です。せっかくの制度なのですから大いに活用したほうがいいと思います。

教育資金はなんとでもなる。老後資金はそうはいかない

「老後資金はそれで貯められても、教育資金はどうすればいいのか」と思われるかもしれません。

教育資金は自前でまかなうことが理想ではありますが、十分な資金が用意できない場合は奨学金、教育ローンの活用という手があります。

教育ローンの金利は現在2~4%で、奨学金はもっと低利率です。そしてオール・カントリーで運用した場合、前述のとおり、資産が年利5%で増える目算が立ちます。であれば資産を取り崩さなくても、教育ローンを借りながら資金運用すれば、十分カバーできることになります。

たとえばAさんの資金が600万円あるとします。子どもの大学の費用が必要となり、ここから500万円を引き出して教育資金に充てたとしましょう。当然ながら残りは100万円です。この100万円を資産運用した場合、年利5%とすると20年後には約265万円です。

一方、この600万円はそのまま運用を続け、500万円の教育ローンを借りたとしましょう。600万円を5%で資産運用した場合、資産は20年後に約1590万円に増えます。

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500万円の教育ローンを年利3%で20年間借りた場合、総返済額は約665万円。1590万円−665万円=925万円。100万円を運用した場合の「265万円」と、資産の差は歴然です。

長期間のローンを抱えるのは精神的に苦痛だという人もいるでしょうが、その場合は子どもが学校を卒業した段階で一括返済する手もあります。もちろん株式投資にはリスクもあるし、誰にでも勧められる方法ではありません。しかし、資産を守るための一手として考えてもいいはずです。

教育資金は、たとえ足りなくても奨学金や支援制度など、何らかの方法で乗り越えることができます。けれども、老後資金が不足するとどうにもならないとはいわないけれど、生活はかなり厳しいものになってしまいます。私が教育資金より老後資金の形成を優先することをおすすめするのは、それが理由です。

お金の心配をすることなく、安心して老後を送るためにも、40代の今こそ資産形成を始めるタイミングではないでしょうか。

鳥海 翔 ファイナンシャルプランナー/経営者

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とりうみ・しょう / Sho Toriumi

慶應商学部卒業後、三井住友海上を経て2016年に株式会社Challengerを設立。金融リテラシーの普及を目指し「Private Bank College」を開設。YouTubeチャンネル「鳥海翔の騙されない金融学」は登録者33万人超(2025年10月時点)。東証ETF解説動画コンテスト優勝。ミドルシニアの資産形成を支援し、初の著書『だまされないお金の増やし方』(KADOKAWA)を刊行。

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