ゴールドマン・サックスが日本事業買収の「バーガーキング」 炎上スレスレだった《マクドナルド煽り》戦略が今後、激化していくワケ

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同社の逆転劇ともいえる“強さ”の背景を、マーケティングミックス(4つの要素:Product、Price、Place、Promotionを組み合わせること)の視点から現状を整理しておこう。

Product(商品)とPrice(価格)に関しては、バーガーキングは「おいしいけどマクドナルドより値段が高い」というイメージが強かった。

以前は、「価格に見合った価値に欠ける」というところで、マクドナルドはもちろん、モスバーガーやロッテリアの後塵を拝していた。しかし、原材料高でマクドナルドをはじめとする、ハンバーガーチェーンの値上げが起きる中、バーガーキングの割高感は薄れていった。「おいしくて、価格もさほど高くない」というイメージに変わりつつある。

近年のグルメバーガーブームも追い風になっているだろう。このブームとハンバーガーチェーンの値上げによって「ハンバーガーは安いもの」というイメージは薄れており、「おいしいハンバーガーをそれなりのお金を払って食べる」という食習慣が日本で定着してきている。

バーガーキング
このボリュームあるバーガーが魅力だ(写真:筆者撮影)

次に、Place(流通)についてだが、これまで店舗数が少なかったため、生活動線上にない人は利用しづらかったが、都市部には店舗が増えてきて、だいぶ行きやすくなってきている。今後、地方にも出店していけば、商圏は広がっていくだろう。

ちなみに、筆者の出身地・鳥取県では、マクドナルドよりもロッテリアやモスバーガーのほうが先に進出していた。ついにマクドナルドが出店した際は地元の関心も高く、多くの地元住民が利用した。現在はマクドナルドが優勢となっている。

バーガーキングで同じことが起こるかは不明ではあるが、「後発は不利」とは必ずしも言えないように思える。

バーガーキングの“炎上スレスレの”広告戦略

最後のPromotion(広告)についてだが、先述のようにバーガーキングは世界的にマクドナルドに対抗する面白い広告展開を行っている。マクドナルドという強者に対抗する「挑戦者」としてあえてケンカ腰のプロモーション戦略を取ることで、費用対効果の高いプロモーションが行われていると言えるだろう。

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