〈ネット大手の新局面〉サイバーエージェント藤田氏がついに社長退任へ。16人の候補から選抜された"後継者"の素顔とは?新体制が担う複数の難題
社長交代と同日、サイバーエージェントが発表した25年9月期決算は、売上高8740億円(前期比9.1%増)、営業利益717億円(同78.9%増)。ヒット連発のゲーム事業と10年ぶりに黒字転換を果たしたメディア&IP事業が収益を押し上げ、スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』がヒットした21年9月期に次ぐ利益水準を達成した。
一見すると、引き継ぎのタイミングとしてはこれ以上にないように映るが、山内体制には複数の難題が待ち受ける。
まずは、屋台骨である広告事業の収益力改善だ。広告業界では、AIチャットサービスなどの台頭により、サイバーエージェントが得意とする検索広告の市場に不透明感が漂いつつある。同社は早くから、AIを活用した新規事業へ先行費用を投じてきたが、そこに今期は大型顧客の離脱が重なり、セグメントで2ケタ減益に追い込まれた。
後継プロジェクトを成し遂げられるか
手薄だった海外市場の取り込みも見据え、新たな成長ドライバーとして育成してきたアニメ・IPビジネスの拡大も焦点となる。
近年の代表例としては、原作が集英社、幹事がKADOKAWAの大ヒットシリーズ『【推しの子】』の製作委員会に少額出資で参加し、ほかにも幹事としてアニメ製作に携わる作品を増やしつつある。ただ、有力原作は競合との争奪戦で、オリジナルアニメの開発も難易度が高い。
山内新体制は、日本を代表するネット企業が抱える課題を突破できるか。そして、藤田氏は数々の創業社長が失敗してきた次世代への引き継ぎを成し遂げることができるか。壮大な後継プロジェクトは、これからが本番といえそうだ。
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