〈ネット大手の新局面〉サイバーエージェント藤田氏がついに社長退任へ。16人の候補から選抜された"後継者"の素顔とは?新体制が担う複数の難題

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社長交代と同日、サイバーエージェントが発表した25年9月期決算は、売上高8740億円(前期比9.1%増)、営業利益717億円(同78.9%増)。ヒット連発のゲーム事業と10年ぶりに黒字転換を果たしたメディア&IP事業が収益を押し上げ、スマホゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』がヒットした21年9月期に次ぐ利益水準を達成した。

12月12日付で社長に就任予定の山内氏。大のエンタメ・筋トレ好きでも知られ、「組織づくり」への意識が高いと評判だ(撮影:尾形文繁)

一見すると、引き継ぎのタイミングとしてはこれ以上にないように映るが、山内体制には複数の難題が待ち受ける。

まずは、屋台骨である広告事業の収益力改善だ。広告業界では、AIチャットサービスなどの台頭により、サイバーエージェントが得意とする検索広告の市場に不透明感が漂いつつある。同社は早くから、AIを活用した新規事業へ先行費用を投じてきたが、そこに今期は大型顧客の離脱が重なり、セグメントで2ケタ減益に追い込まれた。

後継プロジェクトを成し遂げられるか

手薄だった海外市場の取り込みも見据え、新たな成長ドライバーとして育成してきたアニメ・IPビジネスの拡大も焦点となる。

近年の代表例としては、原作が集英社、幹事がKADOKAWAの大ヒットシリーズ『【推しの子】』の製作委員会に少額出資で参加し、ほかにも幹事としてアニメ製作に携わる作品を増やしつつある。ただ、有力原作は競合との争奪戦で、オリジナルアニメの開発も難易度が高い。

山内新体制は、日本を代表するネット企業が抱える課題を突破できるか。そして、藤田氏は数々の創業社長が失敗してきた次世代への引き継ぎを成し遂げることができるか。壮大な後継プロジェクトは、これからが本番といえそうだ。

後継者候補だった幹部たちの顔ぶれや、新経営陣が担う3つ目の課題などについて触れた本記事の詳報版は、東洋経済オンライン有料版記事「サイバーエージェント藤田氏がついに社長退任へ、「2026年引退宣言」を前倒し…16人の候補から選び抜かれた後継者が迫られる"3つの課題"」でご覧いただけます。
森田 宗一郎 東洋経済 記者

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もりた そういちろう / Soichiro Morita

2018年4月、東洋経済新報社入社。広告・マーケティングとアニメ・出版業界を担当。過去の担当特集は「日本アニメ狂騒曲 第2幕」「シン・東宝」「孫正義 動き出した最終章」「メルカリの反省」「集英社、講談社、小学館の野望」「サイバーエージェント ポスト藤田時代の茨道」など。

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