東京都内でヨウムのキクノスケくんと暮らす、会社員のカマタさん(仮名)。学生時代に読んだ本、アイリーン博士と天才ヨウム・アレックスの実話『アレックスと私』に胸打たれ、7年越しにヨウムとの暮らしを叶えた。
※本編は後編です。前編はこちら→「ア、インコデス」と自己紹介も 5歳児並み知能を持つヨウム(インコの仲間)に言葉を教える至福の生活
気まぐれなAIのような鳥・ヨウム
本を参考にトレーニングを続け、やがてキクノスケくんは、言葉と行動の意味を結びつけて話すまでに成長する。
頭を触りながら「アタマ、タッチ!」、くちばしを触って「クチバシ、タッチ」。そのほかにも、初対面の人に「ア、インコデス」と自己紹介をし、アレクサに脱糞を報告することもできる。
「気に入った言葉はすんなり覚えるんです。たとえば、『右』はすぐに覚えたけど、『左』は絶対に覚えない。覚える言葉と覚えない言葉があるのがおもしろいんですよね」
まるで気まぐれなAIのようだと、カマタさんは言う。たしかに、機械学習による大規模言語モデルが処理言語の意味を理解していないことを指し、「確率的オウム」と揶揄されることがある。
しかし、「確率的オウム」が思考力を持ち、司法試験を上位突破するまでに進化したいま、カマタさんのヨウムの可能性も、無限に広がっているはずだ。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら