「基本的にはしつけが通用する生き物じゃないので、キクノスケの好みに合わせて危険がないようにしてあげるしかないと思っています」
どこでもフンをしてしまうので、カーペットは敷かない。洗面所に行くのが好きなので、歯磨き粉や洗剤は隠しておくなど、家のなかの環境整備はキクノスケくん中心に決められている。
一生涯、キクノスケ一羽
「ペットには違いないのですが、言葉を覚えるというのはやはり特別です。一緒に暮らして、僕の生活スタイルを見て、学んで行動しているんだろうな。まるで自分の分身のようだと思うこともあるんです」
29歳から始まったキクノスケくんとの暮らしは、カマタさんが何歳になるまで続くだろうか。50年生きれば80歳だが、今はエサの品質が良くなったため、さらに寿命が延びているかもしれない。
最後に、もしキクノスケくんが予定よりも早く逝ってしまったら、またヨウムを飼いたいかと尋ねると、カマタさんは即答した。
「僕の人生にとって、ヨウムはキクノスケだけだと思っています」
『アレックスと私』では、ヨウムのアレックスは30代で他界する。アイリーン博士と最後に交わした言葉は、「イイコデネ、アイラブユー」だった。
カマタさんとキクノスケくんは、どんな言葉を交わすのだろうか。一生涯一羽の関係が、うらやましく思えた。
・ペット可物件であり、鳥類の飼育が許可されていること
・自然環境研究センターの登録票を取得し、5年ごとに更新すること
・大型鳥用ケージ、止まり木、保温器具、空気清浄機を整え、常に快適な室温を保つこと
・放鳥する時間を確保し、知的刺激と運動の機会をつくること
・強い知能と個体差を理解し、その性格に合わせて信頼関係を築くこと
・おしゃべりは「しつけ」ではなく「対話」であると心得ること
・飛行事故防止のため、ハーネスや網戸の設置など、管理を徹底すること
・鳥を診察できる獣医師をあらかじめ見つけておくこと
・電気代やエサ代など、毎月数万円の維持費を見込むこと
・50年以上生きる命を託される覚悟をもつこと
・「ヨウム」という種そのものへの尊敬と、言葉を交わす喜びを愛せること
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