"解散風"が吹きそうで吹かない理由は葛飾区議選に潜んでいた! 「トップ当選は参政党」に垣間見える《高市自民党》の焦燥
そもそも、自民党はほかの政党と比べて右派から左派までの幅が広く、その中で存在していた派閥が「政党」の役割を果たしてきた。そして、右寄りだった安倍・菅政権から、岸田政権、石破政権と自民党政権が左寄りに変容してきた事実がネットによって顕著に伝播されていった。その結果、「高市内閣を支持するが、政党はほかの右派政党を支持する」という層を誕生させたと思われる。
政党に対するそうした見方はまた、多党化を加速することになるかもしれない。葛飾区議選では、6月の都議選で全敗した「再生の道」が1議席を獲得した。日本維新の会も新たに1議席を得ている。
国民民主党は新人の鈴木達士氏が3910票、現職の中村けいこ氏が3542票を得て、ともに上位当選を果たした。2人の得票を合わせると7452票となり、参政党の菅野氏の得票数とほぼ同じ。両党の得票数は、落選者を含む4人の候補が計9215票を獲得した立憲民主党に迫っている。
近づく「信頼回復」のタイムリミット
このような事実を踏まえるならば、高市首相の人気の高さだけを頼りにして衆議院を解散することはリスクが大きいといえるだろう。自民党のみならず、公明党や共産党、さらには立憲民主党といった「これまで政治の中心にいた政党」が脇に押しやられ、新興勢力が跋扈することにもなりかねない。
問題は、ポピュリズムがそうしたきっかけを生み出す可能性がある一方で、これまで積み重ねられてきたものが軽視されかねない点だ。
年が明けて26年になれば、選挙の気運は高まるかもしれない。衆議院の任期は28年10月までだが、27年春には統一地方選が行われる。また、同年9月には自民党総裁の任期も満了するなど、27年は選挙のスケジュールが混み合っているからだ。
肝心なことは、それまでに自民党が国民の信頼を取り戻せるのかという点であり、公明党の連立離脱という「穴」も埋めなければならないということである。その責任を高市首相だけに負わせていいのか。自民党が「復権」するためには、まだ相当のハードルを越える必要があるだろう。
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