"解散風"が吹きそうで吹かない理由は葛飾区議選に潜んでいた! 「トップ当選は参政党」に垣間見える《高市自民党》の焦燥
昨年10月の衆院選、そして今年7月の参院選で自民党と公明党は議席を失い、国民民主党や参政党などが躍進した。その責任を問われた石破茂前首相はしぶしぶ退陣を表明し、「政治とカネ」の問題にうんざりした公明党はついに連立を離脱。野党側に歩み寄りを見せている。
だが10月21日に高市早苗政権が発足すると、マスコミ各社による内閣支持率は大きく上昇している。例えば、NHKが11月7~9日に行った世論調査では高市内閣の支持率は66%で、発足直後としては小泉純一郎内閣の81%、鳩山由紀夫内閣の72%に次ぐ高さを記録した。
ただ、それが自民党の“復権”には簡単につながらないようで、同党の政党支持率は30.7%と前回の調査から3.3ポイント上昇したのみだった。たとえ総裁が代わっても、自民党に対する国民の評価はそう甘くはならないということだ。そして、その端的な例が葛飾区議選というわけである。
「高市人気」に乗っかるべく葛飾区議選に17人を擁立した自民党は、前回より2人少ない10人しか当選できなかった。しかも今回は立候補者を3人増やしたにもかかわらず、総得票数は4万5406票から4万1217票と、4189票も減らした。
戻ってこない「岩盤保守層」
同じような傾向は、10月26日に投開票された宮城県知事選でも見られた。
参政党が支援した和田政宗前参院議員が大健闘して32万4375票を獲得。高市首相が応援メッセージを寄せた村井嘉浩知事に1万5815票差まで迫った。しかも、有権者数の多い仙台市内に5つあるすべての区の投票数で和田氏が村井知事を上回り、合計で3万6132票もの差をつけた。
また、佐賀新聞が行った県民世論調査でも、参政党の政党支持率は9.6%となり、立憲民主党(7.3%)を上回って、自民党(26.8%)に次ぐ2番手に浮上した。ちなみに昨年10月の衆院選では同県内での参政党の比例区での得票数は1万3567票だったが、今年7月の参院選比例区では4万9792票と3倍以上に伸びている。
こうした現状から推測できるのは、安倍・菅政権の後に自民党から離れた「岩盤保守層」は、高市政権を支持しつつも、すぐに自民党には戻ってこないだろうということだ。



















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