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賛否両論ありながら…。それでも細田守監督《果てしなきスカーレット》が正月映画興行の"大本命"であるワケ

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父を殺された王女・スカーレット。芦田愛菜が演じた(C)2025 スタジオ地図

異世界で成長していく“復讐の王女”の物語

物語は、16世紀末のデンマークからはじまる。王である父が、父の弟の謀略により処刑された王女スカーレット(芦田愛菜)は、父の復讐を遂げようとするが失敗し、「死者の国」で目を覚ます。そこは、人々が略奪と暴力に明け暮れ、力のない者や傷ついた者は「虚無」となり、その存在が消えてしまう死後の世界だった。

スカーレットはそこで、仮死状態でやってきた現代日本の看護師の青年・聖(岡田将生)と出会う一方、父を殺して王位を奪った叔父もまたその世界にいることを知る。改めて復讐を胸に誓ったスカーレットは、父の仇を追い求め「見果てぬ場所」と呼ばれる幻の地を、聖とともに目指す。

その過程では、中世ヨーロッパに生まれ、戦うことでしか生きられないスカーレットと、平和な現代日本で育ち、たとえ戦争でも傷つけ合うことを望まない聖は、ことあるごとにぶつかり、ときに対立もする。

現代日本の看護師・聖がスカーレットと旅をする。岡田将生が聖を演じた(C)2025 スタジオ地図

しかし、異なる時代の社会を生きてきたふたりの関係性は、数々の困難をともに乗り越えていくうちに変わっていく。傷ついた自分の身体を治療し、敵・味方にかかわらず優しく接する聖の温かい人柄に触れ、凍りついていたスカーレットの心は、徐々に溶かされていく。

その果てしない旅路の末にたどり着く場所で、スカーレットはある決断を迫られる。旅を経て、世界を知り、自分とは異なる他者への理解と共感を得ることができるようになった彼女の成長物語には、現代社会に対する力強いメッセージが込められている。

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【圧倒的な迫力の「映像美」に驚かされる】

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