「"ラブブ"より50年も前にヒット」「実はブームになるのは3回目」 日本の《モンチッチ》が、今また世界的ブームの背景

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モンチッチといえば「人形+ぬいぐるみ」の独特なスタイルが特徴である。

最近はその見た目から「ラブブ」を引き合いに出して語る人も多い。ラブブ同様に、海外のインフルエンサーやアイドルがバッグや服に合わせている姿をSNSでたびたび見かける。海外からの人気も見逃せない。

モンチッチ
カラフルなモンチッチがいま人気。キーチェーンタイプの「モンチッチCOLORS」はカラフルな見た目とやわらかな手触りが特徴(撮影:今井康一)

「ラブブのおかげでモンチッチの関心が高まっているのは多分にあると思います」

そう語るのは、株式会社セキグチの代表取締役社長の吉野壽高さんだ。02年に社長に就任し、モンチッチのほか、ノンキャラクターのオリジナルのぬいぐるみや、キャラクターのライセンス商品など、ぬいぐるみや雑貨、ドール、オルゴールなどを手がけてきた。

モンチッチ
株式会社セキグチの吉野壽高社長。隣にいるのは2Lサイズのモンチッチ。おしゃぶりではなく指をそのまましゃぶっている姿が愛らしい(撮影:今井康一)

吉野社長曰く、ラブブ発祥の中国では今、顔がプラスチックで体がぬいぐるみの“モンチッチ・スタイル”の商品がどんどん出てきているという。この分野は、「バイナルプラッシュ」と呼ばれ、ジャンルが確立されつつあるようだ。

誕生から50年。新たに人を惹きつけヒットを記録するモンチッチとはどんな存在なのか。「人形+ぬいぐるみ」が生まれた背景や歴史を吉野壽高社長に聞く。

実はブームになるのは「3回目」

今回のモンチッチの人気や勢いには、インバウンドの影響が大きいがそれだけではない。「モンチッチ誕生50周年に向け、これまでさまざまな施策を行っていたことも功を奏しています」と吉野社長。

50周年企画として社員からアイデアを募り、23年に「株式会社モンチッチ」を設立する。モンチッチはCEOに就任。地域おこしを支援する会社として、浅草や山形県を盛り上げる取り組みが始動した。

マイチッチぽっちゃりとしたお顔にたれ目がチャームポイントの「マイチッチ」。77年にモンチッチの双子の弟&妹として誕生したキャラだが、50周年記念にリバイバル発売された(撮影:今井康一)
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