JWマリオット東京が高輪ゲートウェイシティにオープン。再解釈された日本文化は何を示すか
「これは目に見える豪華さのラグジュアリーではなく、心で感じるラグジュアリーなのです」とプシェルバーグ。派手な装飾で圧倒するのではなく、細部の思慮深さが積み重なることで、この場所が特別だと感じさせる。それが次世代の富裕層が求める、新しいラグジュアリーの形なのだという。
「水槽の外」から見る日本の価値
日本の第3次産業は世界最高峰のサービスとオペレーションを誇る。細部への配慮、美意識、おもてなしの心——これらは日本が本来持っている強みとして世界でも認識されている。しかし、なぜ海外の富裕層を本当の意味で惹きつけるホテルを、日本企業自身が生み出すことが難しいのか。
ヤブ・プシェルバーグは最近、高級ホテルも営むある日本企業の幹部をニューヨークの自分たちのスタジオや、ハンプトンのビーチハウスに招待し案内したというが、その日本人幹部が「ホスピタリティをどのように表現するのか学び直す必要があるかもしれない」と語り、それにヤブ自身も驚かされたという。
昨今の日本のホテルなどのホスピタリティのあり方は少し型にハマり過ぎていて、ラグジュアリー層のニーズの理解も足りていなければ、柔軟性も足りていないのかもしれない、という意図の発言だったと言う。
型にハマっていると言えば、日本人が日本の魅力と考えているものもその一例かも知れない。多くの場合、実際に海外の人が日本に魅力を感じる部分はそれとは異なっていることが多い。
2023年のニューヨーク・タイムズ紙の「2023年に行くべき52カ所」で盛岡が2番目に選ばれた時も、今年、英Time Out誌が「世界で最もクールな街ランキング」の1位に神保町が選ばれたときも、多くの日本人は「なぜ」と疑問を感じたはずだ。
20世紀初頭に活躍したカナダのメディア科学者、マーシャル・マクルーハンの有名な言葉の1つに「誰が水を発見したのか知らないが、魚でないことだけは確かだ」というものがある。我々、人間は水槽の外から見ているからこそ、そこにある水を認識できる。
同様に海外の人を魅了する日本の価値は、日本という水槽の中で暮らす我々にはなかなか認識しづらい部分がある。これからラグジュアリーホテルを手がけていく上では、海外視点と日本視点のハイブリッドを模索することが重要なのかも知れない。
ホテル内を歩き回る度に何か新しい発見が目に飛び込んでくるJWマリオット・ホテル東京——そこに散りばめられた「翻訳された日本」は、日本のホスピタリティ産業が次に進むべき道を照らす道標なのかもしれない。
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