日本人の4分の3が「学歴フィルター」で不遇に? 日本を"活発な学力社会"に変える《人事制度改革》の処方箋

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だから、「学歴フィルター」をかけている企業は、潜在的に有能な人材を取り逃がしていることになる。そして一方では、本当は有能でない人材を長年にわたって雇い続けることになる。そんな企業が新しい可能性を切り開けるはずがない。

以上のような問題が生じる原因は、日本企業の雇用の仕組みにある。とくに大企業において、それが顕著だ。それは新卒採用を中心とし、年功序列で長期にわたって雇用を続ける仕組みである。

大学卒業者のすべてが大企業に就職することはできない以上、前述のような線引きが行われるのはやむをえないことだ。問題は、入社の基準が大学の入学時点での順序づけに従っていることだ。

日本社会が活力を取り戻すために必要な変化

もちろん、これは適切でない。しかし、多くの学生を一斉に審査するという新卒採用の場面では、ある種の機械的指標に頼らざるをえないだろう。したがって、問題は今の新卒中心採用の仕組みにある。 

この状況を改善するためには、大企業がその採用・昇進の仕組みを改革することが必要だ。すなわち、新規採用中心の体制から中途採用を増やしていく。そしてそれと同時に、職務給を導入する。こうしたことによって、人材の企業間移動が活発化する必要がある。

このような変化が行われたときに、日本は学歴社会から学力社会に転換することになるだろう。そうした転換に成功したとき、日本は新たな発展のための活力を取り戻すことになるはずだ。

野口 悠紀雄 一橋大学名誉教授

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のぐち ゆきお / Yukio Noguchi

1940年、東京に生まれる。 1963年、東京大学工学部卒業。 1964年、大蔵省入省。 1972年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。 一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専門は日本経済論。『中国が世界を攪乱する』(東洋経済新報社 )、『書くことについて』(角川新書)、『リープフロッグ』逆転勝ちの経済学(文春新書)など著書多数。

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