こう考えることには一定の合理性がある。なぜなら、給与の面でこの条件を満たす人々と満たさない人々の間に大きな差があるからだ。まず、大企業のほうが中小企業に比べて賃金が高い。しかも、大企業の中でも大学卒のほうが賃金が高い。
では、大学卒業者であれば、全員が大企業に就職できるのか。そうではない。大学卒業者のうち一部の人だけが大企業に就職できる。つまり大学卒業は、先の人生コース目標の必要条件ではあるが、十分条件ではない。
大学卒業者のうち大企業就職者は、どの程度の比率か。それを知るために、実際の就職状況を見ることとしよう。
「成功者は日本人全体の4分の1程度」という衝撃
厚生労働省が作成する「雇用動向調査」によれば、2024年における大学卒の新規採用者47.9万人のうち、大企業(従業員規模1000人以上)の就職者は23.2万人。つまり、大学卒のうち約48%だ。大学を卒業しさえすれば大企業に就職できるというわけではなく、ほぼ2人に1人しか大企業に就職できないのである。
理科系の場合には18.9万人のうち9.2万人と約49%になるが、文科系の場合には31.0万人のうち14.2万人と46%にしかならない。
では、大学卒で大企業に就職できた人々の、同一年齢階層の総人口に対する比率は、どの程度だろうか。20年時点において、25~34歳の総人口に占める大学・大学院卒の比率は5割近くになっている(総務省統計局「令和2年国勢調査」)。したがって、大学卒で大企業に就職できた人はこの年齢階層の24%程度ということになる。
そもそも、大企業はどのような基準に基づいて採用を決めているのか。もちろん各種の条件が考慮されるのだろうが、これについて一般に言われているのは次のようなことだ。
まず、大学を一定の基準に従って並べ、あるところまでの大学の卒業予定者だけを選考の対象とする。そして、面接などの結果を見て採用を決めるというのだ。問題は足切りが行われることで、これは「学歴フィルター」と呼ばれている。


















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