東武鉄道がスカイツリーで再成長へ、周辺地価の上昇など沿線価値アップも《オール投資・注目の会社》
展望台予約は絶好調 沿線価値の向上狙う
スカイツリーの目玉の展望台への入場は、開業日の5月22日から7月10日までは当日券はなく、ネットなどによる完全予約制。
5月22~31日の第1弾分は倍率6・1倍で約2・29万件が当選した。初日正午分は335倍の大人気。6月1~15日分(店頭予約では6月1~10日)の第2弾も倍率3・1倍で約2・58万件の当選が決定した。6月は梅雨時期の悪条件だが、それでも空きはほんの一部。入場券を組み込んだパック旅行商品も大人気という。当初、危惧された料金の高さもなんのその、上々のスタートを切った。
駅名を「業平橋」から「スカイツリー駅」に改称、日光・鬼怒川とスカイツリーを結ぶ路線需要の掘り起こしに特急車両の大改造に着手するなど、東武もスカイツリー“大活用”作戦を展開中だ。
鉄道会社は今や、自社路線沿線の付加価値を上げて他路線から客を奪うシビアなゼロサム競争に入っている。沿線価値を上げることが、鉄道需要や収益寄与の大きい不動産事業の拡大につながる。すでにおひざ元・押上地区の地価上昇など、具体的成果も現れ始めた。スカイツリーをテコに、東武が成長レースを引っ張る姿がこれから見られそうだ。
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(大西富士男 =オール投資2012年5月15日号より)
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