テレ朝記者としてNY特派員も経験した体力自慢の彼女が、「産後うつ」で"長期入院"するまで

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外山さんは、心身がギリギリな状態でありながら、自ら電話してクリニックの初診予約を取っています。なぜそんなことが可能だったのかと聞くと、記者という仕事柄、リサーチやアポ取りに慣れていたことがまず大きかったそう。また、自分の心身の状態のおかしさに気づいた数日前の時点で産後うつを疑い、情報収集は始めていたそうです。

まずは保健所に電話した

「もうダメだ」となったときに、外山さんはクリニックではなく保健所に電話しています。実は精神科クリニックは選び方が難しいうえに、どのクリニックも当日予約を取るのはかなり困難。でも、外山さんは、第1子のときの保健師訪問で「何か困ったことがあったら相談を」と言われたのを思い出し、まずは自治体の保健所に電話し、さらに問い合わせの際に「過去に紹介した記録が残っていませんか」と聞いたのだとか。

この行動は大正解で、保健所は5つのクリニックの連絡先を教えてくれました。順番に電話すると、営業していなかったり予約がいっぱいだったりしましたが、外山さんはそこでも粘り「お願いだから入れてください!」となんとかひとつ予約枠をつかむことができたのです。

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「お義母さんは、子どもの面倒を見てくれながら、必死の形相で手を震わせながら電話する私をハラハラしながら見ていました。でも年末だったこともあって、その日にアポを取らないと年始まで診察が受けられない可能性もあり、そうなったら私は終わると思ったんです。だから、伝言ゲームになるよりは、本人が電話して切迫感を伝えたほうがアポが取れるだろうと。とにかく必死でした」

いろんな意味で記者としてのスキルと度胸を発動させて初診の枠をつかんだ外山さん。そういうパワーのある人でも発症してしまう、そして入院にまで至るのが産後うつなんだ、とあらためて驚きました。ちなみに、外山さんの夫がこの時期に取得できた育休は1日だったそうです。

次回は、精神科専門病院の入院がどんなものだったかを紹介します。

この連載にはサブ・コミュニティ「バル・ハラユキ」があります。ハラユキさんと夫婦の問題について語り合ってみませんか? 詳細はこちらから。
ハラユキ イラストレーター、コミックエッセイスト

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はらゆき / Harayuki

雑誌、書籍、広告、Webなどの媒体で執筆しつつ、コミックエッセイの著書も出版。2017年から約2年間バルセロナに住んだことをきっかけに、海外取材もスタートさせる。著書に『女子が踊れば!』 (幻冬舎)、『王子と赤ちゃん』(講談社)、『オラ!スペイン旅ごはん』(イースト・プレス)、この連載を書籍化した『ほしいのはつかれない家族』(講談社)など。この連載のオンライン・コミュニティ「バル・ハラユキ」も主宰し「つかれない家族をつくる方法」を日々探求、発信中。ハラユキさんのHPはこちら

 

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