外山さんは、心身がギリギリな状態でありながら、自ら電話してクリニックの初診予約を取っています。なぜそんなことが可能だったのかと聞くと、記者という仕事柄、リサーチやアポ取りに慣れていたことがまず大きかったそう。また、自分の心身の状態のおかしさに気づいた数日前の時点で産後うつを疑い、情報収集は始めていたそうです。
まずは保健所に電話した
「もうダメだ」となったときに、外山さんはクリニックではなく保健所に電話しています。実は精神科クリニックは選び方が難しいうえに、どのクリニックも当日予約を取るのはかなり困難。でも、外山さんは、第1子のときの保健師訪問で「何か困ったことがあったら相談を」と言われたのを思い出し、まずは自治体の保健所に電話し、さらに問い合わせの際に「過去に紹介した記録が残っていませんか」と聞いたのだとか。
この行動は大正解で、保健所は5つのクリニックの連絡先を教えてくれました。順番に電話すると、営業していなかったり予約がいっぱいだったりしましたが、外山さんはそこでも粘り「お願いだから入れてください!」となんとかひとつ予約枠をつかむことができたのです。
「お義母さんは、子どもの面倒を見てくれながら、必死の形相で手を震わせながら電話する私をハラハラしながら見ていました。でも年末だったこともあって、その日にアポを取らないと年始まで診察が受けられない可能性もあり、そうなったら私は終わると思ったんです。だから、伝言ゲームになるよりは、本人が電話して切迫感を伝えたほうがアポが取れるだろうと。とにかく必死でした」
いろんな意味で記者としてのスキルと度胸を発動させて初診の枠をつかんだ外山さん。そういうパワーのある人でも発症してしまう、そして入院にまで至るのが産後うつなんだ、とあらためて驚きました。ちなみに、外山さんの夫がこの時期に取得できた育休は1日だったそうです。
次回は、精神科専門病院の入院がどんなものだったかを紹介します。
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