24年のBYDの販売台数は前年比41.3%増の427万台に達し、国有自動車大手の上海汽車集団(上汽集団)を抜いて中国国内で首位に立っただけでなく、世界の自動車メーカー上位6社の一角にも入った。これを受け、当初は25年の販売目標を500万台に設定していたが、このほど足元の販売減を考慮して460万台に下方修正した。
現在、中国の自動車業界では「反内巻(行きすぎた業界内競争の是正)」の動きが広がっている。25年5月末、業界団体の中国汽車工業協会と所管当局である工業情報化省は相次いで声明を発表。中国国内の「無秩序な価格競争」が企業の利益を圧迫し、業界の発展を阻害している、と批判した。同省の関係者は「自動車業界の過当競争に対する統制を一層強化する」と明言している。
当局の「反内巻」、BYDには足かせ?
こうした動きが、BYDが得意としてきた安値競争を続けにくくしている面もある。基幹部品の車載電池を含め幅広い部品を内製化するBYDの王伝福董事長(会長に相当)はかつて「タイヤとガラス以外、何でも自社で作る」と語ったことがある。
こうした大胆な垂直統合が、外部サプライヤーとの強い交渉力につながり、大幅なコスト削減を可能にしてきた。
強いコスト競争力を武器に値引き競争の主導権を握ったBYDは中国自動車市場における価格戦争の最大の恩恵を受けてきた企業といえるが、その環境は今、変化しつつある。値引き販売の余地は狭まる一方で、他社との競争上、巨額の研究開発投資を継続せざるをえず、収益に重くのしかかっているのだ。
(財新記者:翟少輝)
※中国語原文の配信は11月1日
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