香港でデジタル人民元の利用可能店舗が大幅増。コンビニ380店強や自販機1200台が受け入れ開始、利便性向上でどこまで普及?

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中国人民銀行は中国本土外でのデジタル人民元の利便性を高めることで人民元の国際化を推し進めようとしている(イメージ画像:toa55/PIXTA)

香港で、中国のデジタル人民元での支払いが可能な店舗が一段と増えている。

デジタル人民元は中国人民銀行(中央銀行)が発行する世界の主要国で初めての中央銀行デジタル通貨(CBDC)。中国国有大手銀行の香港法人である中国銀行香港(中銀香港)は、コンビニエンスストアのサークルKの香港域内の380店強および自動販売機運営企業、フレッシュアップの運営する自販機1200台で10月27日よりデジタル人民元での支払いが可能になったと発表した。

香港市民も中国本土からの旅行者も、中銀香港が提供するモバイル決済アプリ「BoC Pay+」内の「デジタル人民元エリア」、または、中国人民銀行の「デジタル人民元」アプリを使うことで、香港でもデジタル人民元による支払いができる。

中銀香港はサークルKとフレッシュアップの決済サービスシステムを改修。これにより中国本土と香港との間のクロスボーダー決済が可能になり、香港の加盟店はデジタル人民元から両替された香港ドルを受け取れるようになった。

中国、香港の金融当局が推進

香港におけるデジタル人民元のクロスボーダー試験取引の推進は、中国人民銀行と香港金融管理局が2024年1月に発表した6つの金融協力推進策のうちの1つだ。

この6つの協力推進策には、香港のオフショア人民元市場で当局から資金供給を受ける際に中国本土で発行された債券を適格担保として認めるなど、海外投資家が人民元建て証券に投資する際のメリットや利便性を拡大する措置が含まれている。また、香港・マカオの住民が中国本土で不動産を購入する際の支払い手続きを簡素化するなど、人民元の使い勝手を良くする措置も盛り込まれている。

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