日経平均が初めて5万円の大台に。急ピッチな上昇に高値警戒感がつきまとう一方、海外勢からの資金流入が加速するとの思惑も

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日経平均が初めて5万円の大台に乗せた。写真は株価を表示するスクリーン。4月15日、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

日経平均が初めて5万円の大台に乗せた。急ピッチな上昇に高値警戒感がつきまとう一方、海外勢からの資金流入が加速するとの思惑もある。5万円という水準自体に特別な意味合いは乏しい一方、上昇力の強さがグローバル投資家に意識され、株価パフォーマンスの面から日本株は無視できない存在になってきたとの見方が出ている。

S&P500上回る上昇率

日経平均が5万円を上回って推移する中、大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは日経平均が「グローバル投資家からすれば、持っておかなければならない資産になりつつある」との見方を示す。

鍵を握るのは上昇力の強さだ。年初から5万円までの日経平均の上昇率は25.3%と、最高値を更新する米S&P500の足元までの上昇率15.4%を大きく上回る。過去10年間の平均騰落率でみると、年末に5万円なら年平均11%となり、2022年以来の2ケタを回復する。S&Pの足元の水準で年率換算した10年平均の13.8%に迫る。

これまでグローバル投資家の間では、日本株の期待リターンは年7―8%の前提でポートフォリオが組まれる事例が多かったと坪井氏は指摘する。1990年代から2010年代後半まで10年平均の上昇率が1ケタにとどまったりマイナスが続いたことが背景とみられる。コロナ禍の前後には過去のアベノミクス効果もあって2ケタ上昇の年もあったが、昨年と一昨年は再び1ケタに転落していた。

一方、米国株はAI(人工知能)関連株の上昇もあり過去7年連続で10年平均で2ケタ上昇を維持している。グローバル投資家の間では、相対的に高い上昇が見込める米株に資金が重点的に割り当てられてきた。

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