トヨタ幹部「中国は2カ月で自動車業界全体を停止させることができる」、自動車業界にとって中国の影響力は最も厄介な問題の1つに

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トヨタ自動車北米部門の購買・サプライヤー開発担当グループのライアン・グリム副社長は「中国は2カ月で自動車業界全体を停止させることができる」と述べた。現代自動車向けの磁石サプライヤーの幹部は、今年初めに在庫を積み増したものの、「ほとんどは既に枯渇し、供給がひっ迫している」と話した。

中国のレアアース輸出業者の中には、10月9日に新たな輸出規制が発表された直後に海外顧客から注文が殺到した企業もあると、業界関係者3人がロイターに明かした。

脱レアアースモーター

自動車メーカー各社はレアアースへの依存を減らすための取り組みを進めている。

ゼネラル・モーターズ(GM)や主要サプライヤーのZF、ボルグワーナーなどは、レアアースの使用量が少ないか、もしくは全く使わないEVモーターを開発中で、BMWとルノーは既にレアアースを使用しないモーターの製造に乗り出した。また自動車メーカー各社は次世代EV向けのレアアース不使用モーターの改良にも力を入れている。

しかし業界専門家によると、脱レアアースモーターの実用化にはまだ数年かかり、中国以外で新たなレアアース鉱山や精製施設を開発する取り組みも数年先になるとみられる。しかも、中国はレアアースの価格を低く抑えることでこうした動きを妨害する恐れがある。

サプライチェーン専門会社SCインサイツの共同創業者アンディ・レイランド氏は、中国は価格競争で他国を打ち負かすことに注力しており、今後もその戦略を続けると予想。「中国は常に価格を下げて競合相手を圧倒できる」と述べ、自動車メーカーはレアアース磁石を使用した安価なモーターがあるにもかかわらず高価な代替部品を採用するのは難しいのではないかとの見方を示した。

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