携帯4社が災害時に「エリア分担」を開始。能登半島地震で露呈した避難所支援の重複と遅れを協力体制で解消する狙い

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4キャリア
携帯4キャリアが被災地支援でタッグを組んだ(筆者撮影)
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平時は激しく競い合う携帯4キャリアが手を組んだ。NTTグループ(NTTドコモ、NTT東西など5社)、KDDI、ソフトバンクと楽天モバイルは、能登半島地震での反省を踏まえ、被災地支援で協力する体制を整えている。10月22日に始めた取り組みでは、避難所ごとに支援エリアを分け、情報を共通様式で出す。

能登半島地震では、各社が独自に動いた結果、同じ避難所に複数社が入る一方、別の避難所は支援が遅れた。「発災後、時間が経つほど重複が多くなるという肌感覚があった」。NTT技術企画部門災害対策室長の倉内努氏は、記者会見でこう振り返った。

倉内氏は「競争よりも協調。災害時はいかに早く支援を届けられるかが、営みの根っこにある」とも語った。競合を超えた協力が動き出した。

通信事業者による災害対応について
災害発生時には携帯電話ネットワークも固定回線や電力が切断されて利用不可能になることがある。各社は基地局や伝送路を復旧すると同時に避難所などにWi-Fiや通話サービスを展開している(筆者撮影)

能登で露呈した「重複と遅れ」

能登半島地震では、NTTドコモとKDDIが船上基地局を共同運用し、KDDIとソフトバンクが給油拠点を相互利用するなど、ネットワーク復旧では各社が協力した。ただ、避難所支援では各社が独自に動いた。結果として、同じ避難所に複数社が来る重複が起きた。逆に、支援が必要な避難所への到着が遅れるケースもあった。

避難所支援に関する連携強化
各社が一斉に動いた結果、支援が集中する避難所と行き届かない避難所がでてきた(筆者撮影)
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