なぜ、たった3秒の「握手」で相手の健康状態が筒抜けになるのか。体の生体反応は、外見にここまで表れる
もし商談や面談の冒頭で握手を交わすなら、軍師のようにその感触を観察してみよう。
• 温かく乾いた手:血流がよく、副交感神経優位。落ち着いた状態。
• 冷たく湿った手:交感神経過多。緊張・不安・防御反応。
• 分厚い手:筋肉量があり、スタミナ型。エネルギー管理が上手。
• 薄くてスジ張った手:慢性的ストレスや低栄養。短期決戦型。
握手はほんの数秒だが、そこに脳・神経・代謝のあらゆる情報が映り込む。握手とは、最小にして最強のコミュニケーションデバイスなのだ。現代の医療検査機器では見えない、体の“ニュアンス”がそこに表れる。
声と話し方にも表れる“神経モード”
さらにビジネスの現場では、「声のトーン」と「話すスピード」も相手の状態を読む鍵になる。
自律神経と発声は密接な関係にある。交感神経が優位な人は、呼吸が浅く、声が高く早口になりやすい。一方、副交感神経が優位だと、呼吸は深く、声は落ち着き、ゆったりとした話し方になる。
つまり声のトーンは「神経状態の実況中継」といえる。ビジネスの現場で相手の声が急に高くなったら、それは交感神経が急上昇している兆候。
戦国時代の軍師が敵将の手を握ったときに戦意を読むように、商談や交渉の場面で、相手がどの神経モードにあるかを感じ取れば、より有利に話を進められるだろう。
歴史を振り返ると、為政者が自らの病名や健康状態を明かさなかった理由がわかる。「声」「話し方」「顔色」「握手の感触」――それらがすべて、体調や神経の状態を雄弁に語るからだ。健康情報は、心理や判断力の“裏側”を読まれてしまう危険なカードでもあったのだ。
それは現代社会でも同じだ。ビジネスリーダーや政治家にとって、体のサイン=信頼や判断の精度を左右する要素である。だからこそ、身体を整えることは、単なる健康管理にとどまらず、ビジネスにおける重要な「戦略」でもある。
人は、思っている以上に、身体を通じて自分を語っているのだ。
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