JR3社、「軒並み業績好調」の先に待つ未来 2015年度の上半期はいずれも利益2ケタ増
JR上場3社(JR東日本、JR東海、JR西日本)の2015年度上半期(4~9月期)決算が出そろった。本業の儲けを示す営業利益の伸び率は、JR西日本の前年同期比34.5%増を筆頭に、いずれも2ケタ増。3社ともに上半期としては過去最高というオマケまでついた。
期初に発表していた会社予想と比べても、上半期の営業利益の実績値は大きく上回った。特にJR西日本は、第1四半期(4~6月期)決算が発表された7月30日に営業利益予想を上方修正しているが、上半期の実績はその数字をも超えた。
好調の牽引役は北陸新幹線
JR西日本の業績好調の理由が、3月に開業した北陸新幹線にあることは間違いない。同社の上半期の売上高は前年同期比で578億円増えた。そのうち240億円が北陸新幹線の収入だ。当初は年間収入が300億円と想定していたので、8割を半期でたたき出したことになる。
もちろん、増収要因はほかにもある。ゴールデンウィークやお盆の利用者が前年よりも増え、9月の5連休(シルバーウィーク)がプラスされた。ただ、いずれも10数億~20数億円の増収要因でしかない。目下話題のインバウンド需要にしても、8億円にとどまる。北陸新幹線の効果は文字どおりケタ違いなのだ。
利益面での北陸新幹線の恩恵はどうか。北陸新幹線は国の整備新幹線計画に沿って建設されており、JR西日本は国に新幹線使用料を支払う必要がある。これが年80億円。6カ月分なら、ざっと40億円だ。
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