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「飲食の店長はいまや高級取り」 丸亀製麺の「トリドール」が発表した《年収2000万円店長》が与えた衝撃…「単なるウケ狙い」とは言えないワケ

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  • 岩崎 剛幸 経営コンサルタント/ムガマエ代表取締役社長
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しかし同社はあえて「外食業界のオフィスらしさをできるだけ入れないように」し、「外食業界の『長時間労働・低賃金=ブラック』のような、求職者から敬遠されがちな業界イメージを変えられるように振り切ったデザインを目指した」という話を、同社関係者から聞き、なるほどなあと感じたものです。

トリドール本社オフィスのエントランス(写真:トリドール公式サイトより)
執務室からの見晴らしは抜群だ(写真:トリドール公式サイトより)

「まずは客の満足度を」は時代遅れ

筆者はこのEXとCXの関係性を、日々のコンサルティングの中で何度も経験しています。企業がEXを高めれば高めるほど、CXが向上し、結果的に売り上げが上がっていくのですが、この話をすると、コンサルティング現場では、次のような質問が出ます。

「まずは客のCXを先行して売り上げを上げることで、EXにも力を入れられて、従業員の給料を上げることができるのでは?」

これはこれで一理ありますが、現在の日本の働き方の中では、もう時代遅れ感があります。

世界的な資源高、物価高による仕入れ価格高騰、人件費増、店舗開発費、家賃上昇など、さまざまな経費、投資費用が増大しています。

さらに人手不足、人材流出も相次ぐいま、「CXを向上しろ」「売り上げを上げろ」と発破をかけるだけでは、現場にストレスだけがたまり、逆に現場力が低下してしまいます。

まずは従業員のやる気に火をつける環境整備と触媒提供によって、従業員がお客様のために動きたくなる空気感を作ることこそが、いま経営者が取り組むべきことです。

だからこそ、トリドールの「ハピカン繁盛サイクル」のような考え方が必要となり、結果的に店長の年収引き上げも考えなければいけなくなってくるというわけです。トリドールの“2000万円店長”は、次の時代に向けた各企業への羅針盤と言えるのです。

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