クリは、外側を守る鬼皮と内側にある渋皮という、二重の皮で守られています。この段階で渋皮がむけるクリもありますが、実にくっついている個体もあるはずです。

そもそもクリにはニホングリ、チュウゴクグリ、ヨーロッパグリなどの種類があります。甘クリなどに使われるチュウゴクグリ、焼クリに使われるヨーロッパグリと比べると、ニホングリは渋皮がむきづらく、それが消費のハードルとなっています。
ニホングリの渋皮がむきづらいのは、成熟に伴って重合型フェノールという樹脂状の成分が蓄積し、果肉と渋皮を癒着させているからです。
これまで、水酸化ナトリウムで溶かす、加圧水を使うなど、さまざまな試みがされてきました。最近では「ぽろたん」という、ゆでるだけで渋皮がポロリとはがれる品種なども登場していますが、普及するのはまだ先のようです。
油で揚げると、さらにアラ不思議
今回、ご紹介するのは「油で揚げる」というアプローチ。これは、独立行政法人 農業・生物系特定産業技術研究機構の正田守幸氏らが論文「食用油を利用したクリの渋皮剥皮法」で検討している方法で、「190℃で2分揚げる」というシンプルなものです。

190℃の油に渋皮がついたクリを投入し、2分揚げます。揚がったクリが少し冷めたところで皮をむきます。
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