「中国人の"日本永住希望者"急増」「高度外国人材の認定者数は9年で7倍に!?」→中国中流層の間で"美大ブーム"が起きる制度のカラクリ
熾烈な競争環境にある中国社会に比べ、いかに日本の「高度外国人材」の認定制度の設計が緩く作られているかは、一目瞭然(りょうぜん)だ。中国人などからみれば、この制度は非常に魅力的に映る。若くして、日本に留学してどこかの大学にさえ入れれば、永住権取得のチャンスが一気に広がるのだ。中国人留学生にとっては、まさに今の日本は「夢の国」とまで言われている。
京都芸術大学を卒業した前述の李さんのケースでみても、内定した都内のゲーム会社で何年か働き続ければ、近い将来、高度外国人材として認められ、永住権取得も十分視野に入ってくる。
こうした日本政府の緩和策があり、実際に高度外国人材の認定者数は右肩上がりだ。出入国在留管理庁によると、2015年には3840人だった高度外国人材は、2024年末時点で約7倍の2万8708人に急増した。国籍別でみると、やはり中国人が7割近い1万9228人を占めている。中国人のための支援策ともいえるほどの伸びである。

「このまま中国に帰るのはもったいない」
既に高度外国人材の認定を受けている東京都内在住の中国人女性、ニン・シュンエイさん(30)もまた、日本での永住権の取得が視野に入っている一人だ。
中国内陸部の河北省出身。東京藝術大学の博士課程を2024年春に修了し、日本で宝飾品のデザイナーとして働く日々を送る。「そんな私をみて、中国の両親は今でも、私が中国に戻って、教員になることを望んでいる」と、ニンさんは言う。
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