「中国人の"日本永住希望者"急増」「高度外国人材の認定者数は9年で7倍に!?」→中国中流層の間で"美大ブーム"が起きる制度のカラクリ

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審査は、学歴(学士、修士、博士など)のほか、職歴年数、年収、年齢、日本語能力など、各項目に割り振られたポイントの合計得点で判断され、合計ポイントが「70点以上」なら高度外国人材に認定される。もし仮に「80点以上」なら、日本滞在開始から最速1年で永住権取得のためのスピード申請が可能となる。加えて、高度外国人材に認定されれば、配偶者の日本での就労が認められ、その他の条件をクリアすれば両親や家事使用人の帯同まで認められるのが、今の日本の仕組みとなっている。

日本の「高度外国人材」認定、実は意外と取りやすい?

さらに分かりやすく、具体的な例で見ていきたい。高度外国人材で最も認定例が多いのが「高度専門・技術分野」の人材で、今回はそのケースで考える。仮に今、日本の神奈川大学の大学院の修士課程を修了し、日本企業で働く中国人男性の呉(ウー)さん、27歳男性がいたとしよう。年収は500万円だ。この場合、彼の「高度外国人材ポイント」は果たして何点になるのか、順番にみていく。

まず、呉さんは、日本の大学を出ているので10点を獲得する。さらに卒業した神奈川大学が日本の法務大臣が定める「主要128大学」に入るので、追加で10点を獲得する。また、修士課程修了でもあるため、さらに20点を加算することが可能となる。呉さんの場合、ここまでの学歴だけで、既に40点を獲得する計算になる。次に年齢ポイントだ。若い人ほど獲得ポイントが増える仕組みで、27歳の呉さんの場合は15点を獲得する。

日本語能力でも加算が可能で、日常会話レベルの能力(日本語能力試験N2取得者)があれば、10点を獲得できる。日本の大学を卒業し、日本企業に就職する呉さんならこれも当然獲得できるポイントで、呉さんの得点はここまでで合計65点に達する。

さらに年収も評価ポイントとなる。年収が400万円を超えれば10点を獲得でき、500万円以上なら15点を得られる。年収500万円の呉さんの場合は、15点を獲得することになる。これで呉さんの合計得点は80点に達し、見事、高度外国人材に認定されるというわけだ。おまけに80点以上を獲得しているので、日本滞在開始から最速1年で永住権取得の申請が可能となる。

グラフ
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