脱線トークをさりげなく戻す! 「聞き上手」が使っている"マジックワード"とは? 元日経記者が教える「会話の主導権を握る3つのポイント」

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雑談を交わすことで、相手に関心を持っていることをアピールする効果もあります。

「他人に関心を持て。人は自分に関心を持ってくれる人に惹かれる」とは『人を動かす』の著者、デール・カーネギー氏の言葉です。コミュニケーションの達人だったカーネギー氏は、相手に関心を持ち、しっかりと話を聞くことの重要性を説いています。

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自分に関心を向けられていると感じると、その相手に好意的になり、話しやすいと感じるようになります。ですから、適度に合いの手や相づちを取り入れることが、会話をよりスムーズに、楽しく進めるカギです。

合いの手は、相手の話の合間に交える「はい」「ええ」「そう」といった短い言葉。一方、相づちは「なるほど」「そうですね」といった言葉を発し、相手の話を受け止めて調子を合わせるものです。

これらは、相手に対して自分が注意を払っていることを示し、会話の流れを作ります。例えば、このように使います。

「最近食べたチーズケーキが、本当においしかったんですよ」

「そうなんですね。それで、どんな味だったんですか?」

「クリーミーで、少し甘さが控えめでね、しっとりしていて……」

「なるほど、甘さ控えめのチーズケーキっていいですね! それって、どこのケーキですか?」

会話中に無反応だと相手は話しづらく感じてしまいます。ですから、「はい」「ええ」「そうですね」といった合いの手や相づちを入れることで、相手は自分の話に対する反応を確認でき、話を続けたくなります。

知人のライターの方に、できるだけよく笑うことを心がけている、という人がいます。彼によると「笑えば、相手も話しやすくなります。特に相手が笑わせようと思って発言したことには、笑いを奮発するようにしています」とのことです。

相手の気分を害さない

私の経験では、相手のよいところを強調する、つまり、ときにほめたり、持ち上げたりするのも重要になります。

これはハラスメントに注意が必要ですが、例えば「肌がすごくおきれいだなと思ったんですけど、ふだん、どういうケアをされているんですか?」「そんなにたいしたことはしていないんですけど、日焼けはしないように気をつけています」……といった具合に自然と話題がシフトしていきます。

また、「○○に興味はありますか?」と聞いて「ないですね」と、こちらの質問に冷たく返されたケースもあります。

「そうですか……」と簡単に引き下がると、場の空気が悪くなってしまいます。そんなときは「(「意外ですね」という表情をして)えっ、よければ理由を教えていただけませんか?」と聞くのもよいでしょう。理由を聞き出せれば、別の提案にもつなげやすくなります。

白鳥 和生 流通科学大学商学部教授

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しろとり かずお / Kazuo Shirotori

1967年長野県生まれ。

明治学院大学国際学部を卒業後、1990年に日本経済新聞社に入社。小売り、卸、外食、食品メーカー、流通政策などを長く取材し、「日経MJ」「日本経済新聞」のデスクを歴任。2024 年2月まで編集総合編集センター調査グループ調査担当部長を務めた。

その一方で、国學院大學経済学部と日本大学大学院総合社会情報研究科の非常勤講師として「マーケティング」「流通ビジネス論特講」の科目を担当。

日本大学大学院で企業の社会的責任(CSR)を研究し、2020 年に博士(総合社会文化)の学位を取得する。

2024 年4月より現職。「フードサービス論」なども担当する。著書に『即!ビジネスで使える 新聞記者式伝わる文章術』(CEメディアハウス)、『不況に強いビジネスは北海道の「小売」に学べ』『グミがわかればヒットの法則がわかる』(プレジデント社)などがある。

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