脱線トークをさりげなく戻す! 「聞き上手」が使っている"マジックワード"とは? 元日経記者が教える「会話の主導権を握る3つのポイント」

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2.こちらが知りたいことを引き出す

相手が自由に話しすぎると、重要な情報が埋もれてしまう場合があります。そこで、相手の話に寄り添いつつ、必要な情報を引き出すための質問を加えることが大切です。

【悪い例(商談や職場での検討会議)】

「この商品は、この機能が新しいんですよ。デザインもいいでしょう?」

相手が商品の魅力について長々と話し続ける。

「……」

*ただ聞いているだけで、情報が引き出せていない。

【よい例(商談や職場での検討会議)】

「この商品は、この機能が新しいんですよ」

「その商品の特徴はよくわかりましたが、実際にお客様からはどのような反応がありましたか?」

*話の焦点を調整する。

3.「ところで」「そういえば」を使い、話題を切り替える

相手の話が脱線してしまったときや、別の話題に移りたいときには、自然な形で話を切り替える接続詞が役立ちます。「ところで」「そういえば」を使うことで、スムーズに会話の流れをコントロールできます。

【悪い例(営業会議)】

「(商品の話のはずが)最近、〇〇が気になっていて」

「話が少しずれたので、元の話に戻りましょう」

*唐突に話を戻す。

【よい例(営業会議)】

「(商品の話のはずが)最近、〇〇が気になっていて」

「そうなんですね。私も気になっていました。ところで、さきほどお話しされていた○○の件、もう少し詳しく聞かせてもらえますか?」

*自然に話題を戻す。

話の流れをリードすることは、決して相手を支配することではありません。むしろ、相手が話しやすくなるように、うまく会話をリードすることが大切です。

適切な質問をしながら会話の流れを作り、聞きたい情報を引き出せるよう意識してみましょう。

筆者の経験ではこんなことも

新聞記者時代、よく取材の時間を取ってくれたのが大手小売業の会長でした。とはいえ、この会長は数多くのM&A(合併・買収)を手掛けた人。言ってみれば手練手管、百戦錬磨の人です。

取材対応にも慣れていました。こちらの質問に対して、平気でまったく聞いていない昔話を延々とし、こちらのペースに持ち込ませない人でもありました。

ですから、なかなか特ダネがとれませんでした。もっとも特ダネは昼間の応接室でとれることはめったになく、仮説を立て、地を這うような周辺取材を積み重ねて、最後に当事者に当たることでとれるものです。

ちなみに、会長はこちらがつかんだネタが間違った情報ならば「ない」、正しければ「知らん」とはっきり言ってくれました。

そうした受け答えをしてくれる関係になるまでには、夜討ち朝駆けを重ねて半年以上の時間がかかりましたが……。

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