中国の「AI半導体」開発企業ムーアスレッド、異例の早さで上場審査通過。上海の「科創板」で株式公開へ

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ムーアスレッドの科創板への上場申請は3カ月弱という異例のスピードで承認された。写真は同社製のAIコンピューティングボード(ムーアスレッドのウェブサイトより)

AI(人工知能)半導体の開発を手がける中国のスタートアップ企業の摩爾線程智能科技(ムーアスレッド)が、中国本土の株式市場への上場を異例の早さで認められたことがわかった。

上海証券取引所の上場委員会は9月26日付の情報開示で、ムーアスレッドが申請した同取引所のハイテク企業向け新市場「科創板」でのIPO(新規株式公開)を審査会議で承認したと明らかにした。

ムーアスレッドの上場申請は6月30日に受理されたばかりで、わずか3カ月弱で審査を通過したことになる。

創業者はエヌビディア出身

IPOの目論見書によれば、同社は株式公開を通じて80億元(約1674億円)の調達を目指している。この資金を次世代のAI訓練・推論チップ、GPU(画像処理チップ)、AI向けSoC(システムオンチップ)などの研究開発に投じるとともに、運転資金の補強にも充てる予定だ。

ムーアスレッドは2020年10月、(AI半導体世界最大手の)エヌビディアで中国事業のトップを務めた経歴を持つ張建中CEO(最高経営責任者)が創業した。また、同社の張宇勃鈺CTO(最高技術責任者)もエヌビディアの出身だ。

独自設計のAI半導体を2021年から4年連続でリリースしており、最新チップの「平湖(ピンフー)」は最先端のAI基盤モデルのトレーニングを高速化するFP8(8ビット浮動小数点)フォーマットに対応。それを搭載したAIコンピューティングボード「S5000」はすでに出荷が開始された。

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