三谷幸喜脚本で第1話から圧倒的情報量!菅田将暉主演《もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう》が昭和・令和世代で賛否両論のワケ
しかも、誰もがみなインパクト強すぎの濃いキャラクター。加えて、演じるキャスト陣が、どこか昭和の空気をまとう役者ばかり。
昭和を代表する芸能人のひとりである井上順を筆頭に、菅田将暉、小池栄子、二階堂ふみ、菊地凛子、市原隼人、戸塚純貴、アンミカ、バイきんぐ・西村瑞樹、ラバーガール・大水洋介、ひょうろくと、昭和が似合う豪華な顔ぶれが勢揃い。そんな映像の迫力に圧倒された第1話だった。
演劇に回帰する昨今の三谷作品
本作からにじみ出ているのは、自身の出自でもある“演劇”への三谷氏の強い愛だ。
シェイクスピアを愛し、蜷川幸雄を師と崇める主人公・久部の言動のほか、シェイクスピアの名言が差し込まれたり、戯曲『マクベス』が会話に出てきたりと、演劇ファンをニヤリとさせる細かなネタが仕込まれている。
また、ストーリーの流れも、多くの登場人物が矢継ぎ早にぽんぽんと現れ、テンポよい会話劇を挟みながら、勢いよくどんどん進行していく。そのリズムも空気感も、すれ違い劇が軸になって進む物語も、演劇っぽい。
三谷氏が監督、脚本を手がけた映画最新作『スオミの話をしよう』(2024年)では、演劇の世界観をそのまま映画に取り込んでいた。一方、今回のドラマは、そこまでベタな演劇的な構成や演出ではないものの、やはり演劇の要素が色濃くにじみ出ている。
それがいままさに三谷氏が描きたいテーマであり、そこに社会へのメッセージを込めているのだろう。昭和という時代に三谷氏本人が抱いていた未来への希望や社会への思いを、いまを生きる人たちに届けたい。そこから現代社会の生き方を考えてほしい。そんな気持ちがあるのではないだろうか。
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