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【大型液晶工場は売却】シャープらしさはどこへ「台湾・鴻海流改革」10年の真実――カリスマ創業者が去って訪れた転機

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こうして始まったのが鴻海流の経営改革だ。鴻海の傘下に入った16年度には、シャープの営業利益は624億円まで回復した。実際、鴻海による経営改革が効果を発揮した部分もある。その1つが経営のスピードアップだ。

「昔のシャープでは、月に1度の経営会議にはめ込まないと決裁が取れなかった。鴻海傘下になったことで意思決定のスピードは上がり、今では必要なら(提案された)その日の午後にテレビ会議で決裁できる」(沖津社長)

しかし鴻海から送り込まれた経営陣が掲げた、徹底したコスト削減「節流(せつりゅう)」はシャープの中に歪みを生んでいった。研究開発のための人員は削減され、家電系の事業では広告宣伝費もほとんど使えなくなったという。

カリスマ創業者が去った鴻海

厳しいプレッシャーにさらされたシャープに転機が訪れる。19年に鴻海の経営トップ(董事長)が交代することになったのだ。シャープ買収を主導したカリスマ創業者のテリー・ゴウ(郭台銘)氏が去り、ヤング・リウ(劉揚偉)氏が就任した。

鴻海との協業について2024年9月に講演した沖津社長(記者撮影)

「今の董事長に代わるまでは、EMSの会社の考え方だった。交代後はEVやAIなど新規事業に取り組むようになり、その方向性がシャープと一致したことで、鴻海の力を借りることができるようになった」(沖津社長)

はたして大手電機メーカーとしての存在感を、再び放つことができるのか。「シャープらしさ」を取り戻すための試練は続く。

本記事の詳報版では、鴻海買収後のシャープの研究開発投資額の推移や子会社の不正会計、これからの鴻海との関係性などを報じています。東洋経済オンライン有料版記事「シャープが失った「らしさ」鴻海入り10年の功罪――徹底したコスト削減と経営スピードアップがもたらしたもの、親会社のトップ交代で方針大転換」でご覧いただけます。

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