高市トレード再来、「アベノミクス」路線継承と具体的な景気刺激策への期待で週明けは株高へ、一方で円と超長期債には売り圧力が高まるとの見方

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野村証券の岩下真理エグゼクティブ金利ストラテジストは、市場参加者の多くが小泉氏の勝利を前提にしていたため、「金融市場は波瀾万丈の世界に放り込まれてしまった」と話す。円安と株高に加え、国債利回り曲線が傾斜(スティープ)化する「高市トレード」が復活すると予想し、「10月の利上げ観測が後退すれば、日銀があえて利上げに踏み切ることはないだろう」とも述べた。

オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では、3日時点で10月利上げの確率が約60%織り込まれていた。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、組閣で財務相人事が焦点になると指摘。高市氏に近い旧安倍派出身で財政規律を重視しない議員が就けば、超長期金利は一段と上昇する可能性があるとした。財政規律への不安が浮上すれば、財務省の国債需給対策も揺らぎかねないと言う。

目先150円方向

三井住友銀行の鈴木浩史チーフ為替ストラテジストは、政治の不安定性が残るため「円安が進みやすい」と述べ、円は対ドル150円程度まで一時的に売られる可能性を指摘した。SBI FXトレードの上田真理人取締役も「高市トレード」が先行して一時的に150円まで円安が進む可能性に言及。ただし、誰が首相になっても財政的には拡大方向ということを市場はある程度織り込んでいたため、「円売りの勢いは週内に落ち着く」と見方を示す。

高市氏は、野党が候補者を一本化する見込みは立っていないため、今月中旬に予定される国会での首相指名選挙を経て初の女性首相に就任する見通し。10月下旬に来日予定との観測がある米国のトランプ大統領との関係構築が課題となる上、財務相人事や補正予算の規模など、政策の具体化が市場全体の方向性を左右する見通しだ。 

著者:佐野日出之、日高正裕

ブルームバーグ
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