結果を左右した"キングメーカー"の対照的な動き、「初の女性総裁」高市氏《まさかの劇的勝利》はなぜ実現したのか
当初から小泉氏との“2強”とされ、結果的に決選投票は小泉氏との対決となった。選挙戦中盤で発覚したステマ(ステルスマーケティング)問題などの影響もあり、小泉氏が失速したことが、高市氏勝利の要因になったとみられる。
この結果について、党内では「最終的に麻生太郎最高顧問が高市氏を支持し、『反高市』の立場だった岸田文雄前首相も旧岸田派をまとめきれなかったことなどが、高市氏勝利の要因」(自民党長老)との見方が広がる。

これに対して、野党からは「長老の動きが勝敗を左右するようでは、『解党的出直し』とは程遠く、国民無視の結果」(立憲民主党幹部)などと厳しい批判も相次ぐ。
まずは野党との協議が難題に
高市氏は新総裁に選出された直後のあいさつで「自民党の新たな時代を刻めました」と切り出し、少数与党下で政権運営に苦闘した石破首相の労をねぎらった。そのうえで「これからが大変、たくさんの政策をスピーディーに実行しなければ」として、物価高対策のための大型補正予算の早期編成やガソリン減税の年内実施に意欲と決意を表明した。
また、党役員・閣僚人事などについては「全世代結集で党を立て直す」「不安を希望に変える党にする」などと、若手や女性の抜擢によって党の体質改革を進めることに強い意欲をにじませた。
高市氏は直ちに幹事長などの人事に着手し、週明け7日にも新たな党執行部の陣容を固めるとみられる。これと同時進行で、政権安定化に向けて野党との連立・連携協議を進めることになる。そのうえで、15日の臨時国会召集日冒頭の首相指名選挙を経て、同日夜に高市新内閣が発足する段取りだ。
新総裁決定に先立つ森山裕幹事長ら現自民党執行部と野党の協議では、自民党側が首相指名・新内閣発足を受けて、20日に所信表明、22日から24日までを衆参代表質問とする日程を打診。これに対して、野党側は「日程繰り上げ」を求めており、新執行部の対応が注目される。
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