iPhoneカメラ高画質の秘密はTDK、AGC、京セラ、ソニーといった日本製部品にあり。ティム・クックCEOが表敬訪問した理由

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日本の綱島に研究開発拠点を置く意義について聞くと「日本は光学分野で長い歴史と深い専門性を持っています」とクック氏。「私たちは、そのような能力やエコシステムを備えた地域にR&Dを置くことで、今日ご覧いただいたパートナー企業のような方々と協力し、素晴らしいコラボレーションを実現できると考えました。そして実際に、そこから優れた製品を生み出すことができています。」と答えた。

重要な意味を持つアップル YTC

今回、技術紹介を行った4社の中には、月に数回ペースでアップル本社を訪れていた社員もいたようだが、今では多くの用事がこの綱島のYTCの訪問でまかなうことができる。

さらに、まだアップルと直接の協業関係を持たない企業にとっても、YTCは重要な意味を持つ。いきなりアメリカ本社に赴いて英語でプレゼンテーションを行うのではなく、まずは日本人スタッフと母国語で議論できる。そこで技術的な確かさや将来性を評価されれば、本社との橋渡しが行われ、アップルのグローバルな開発ネットワークに加わる可能性が開ける。

iPhoneの登場後、日本のカメラメーカーの勢いが衰えたなどと寂しいニュースをよく聞いたが、今やこれまでのどのカメラとも桁違いの台数が出荷している、世界で最も成功したカメラ、iPhoneカメラで日本のアップル YTCが大きな役割を担っていると思うと何か少し胸が熱くなってくる。

日吉の慶応義塾大学からも程近いApple Yokohama Technology Centerは、日本やアジアのサプライヤーらの協力を得ながらカメラシステムなどの重要技術を研究開発する拠点(写真:アップル)
地下には精密機器を組み立て検査するためのクリーンルームも用意されている(写真:アップル)
Apple Yokohama Technology Center外観(筆者撮影)
林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント

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はやし のぶゆき / Nobuyuki Hayashi

1967年、東京都出身。フリーのジャーナリスト、コンサルタント。仕事の「感」と「勘」を磨くカタヤブル学校の副校長。ビジネスブレークスルー大学講師。ジェームズダイソン財団理事。グッドデザイン賞審査員。「iPhoneショック」など著書多数。日経産業新聞「スマートタイム」、ベネッセ総合教育研究所「SHIFT」など連載も多数。1990年頃からデジタルテクノロジーの最前線を取材し解説。技術ではなく生活者主導の未来のあり方について講演や企業でコンサルティングも行なっている。

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