iPhoneカメラ高画質の秘密はTDK、AGC、京セラ、ソニーといった日本製部品にあり。ティム・クックCEOが表敬訪問した理由
2400万〜4800万画素のCMOSセンサーが捉えた光はそこで電気信号に変換されプロセッサに届けられるが、親指の爪よりも小さなCMOSセンサーから出てくる数千万の電気信号をお互い干渉させずに伝達するには、極めて精密な絶縁技術が必要だ。そこで登場するのが京セラの社名にもなっているセラミック基板の技術だ。
AGCの赤外線フィルターが光学的なノイズを取り除くものだとすれば、京セラのセラミック基板は電磁波的なノイズを取り除く技術。親指の爪ほどのサイズの小さなスペースに光に透かしてみないとわからない膨大なミクロンサイズの穴が空いた電子基板、それがいくつも重ねられ立体的な電子の伝達路となっている。
最近では撮った写真が多少汚くても、AI技術で補正をかけていくらでもきれいに見せることができる。しかし、そうではなく、そもそもの元データをできるだけホンモノに忠実で高品質にすることに全力を注ぐのがアップル流。これら3社が提供する技術は、いずれもデジタル写真の品質を高めるための技術だ。
では、もう1社、TDKはどこに登場するのかというと、ユーザーがカメラを被写体に向けたときに活躍する。2025年モデルの最新iPhoneは、素早いオートフォーカスが強みの1つとなっているが、ここでTDKのTMRセンサーが活躍している。
1mm×0.4mmというパウダー粉に近いサイズのこのセンサーは、レンズと連動して動く磁石の位置を瞬時に検知。磁気の微細な変化を捉え、レンズを最適な位置へと導く。またしばらくiPhoneを握って手が震えてきたときの手ぶれ補正でもTDKの技術が採用されている。
これらTDKの技術も、被写体の像をブレることなくしっかりと捉えCMOSセンサーに伝えて高い品質の画像を取り込むのに一役買っている。
TDK、磁気で制御する1mm以下の精密技術

アップルは世界中にある数多くの競合からなぜ、これらのメーカーを選んだのだろう。
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