iPhoneカメラ高画質の秘密はTDK、AGC、京セラ、ソニーといった日本製部品にあり。ティム・クックCEOが表敬訪問した理由

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9月、アップル銀座のリニューアルオープンでティム・クックCEOが来日したのに合わせて、これまで秘密のベールに隠されていた神奈川県横浜市港北区の研究開発施設、アップル YTC(Yokohama Technology Center)でクローズドなイベントが行われた。

YTCは日本のさまざまなサプライヤー企業と共に光学技術(オプティクス)を中心とした研究開発を行っている機関で、地下には精密な検査を行うためのクリーンルームもあるという。

この秘密のベールに覆われた建物に、最新iPhoneのカメラシステムで要となっているTDK、AGC、京セラ、ソニーセミコンダクタソリューションズの4社が招集され、クックCEOにその技術を紹介する会が開かれ一部メディアにその様子が公開された。

4社のプレゼンを見たティム・クックCEOもアップルと日本メーカー4社に通底する「現状に満足せず」常に上を目指す姿勢がiPhoneのカメラを素晴らしいものにしているのだと改めて認識し満足した様子だった。

iPhoneカメラを構える手の中で連動している4社の技術

iPhoneで一番の人気機能は圧倒的にきれいな写真が撮れるカメラ。その高品質な写真は品質面での妥協を許さないアップルと日本企業による切磋琢磨の姿勢で保たれている(写真:アップル)

まずはiPhoneをさっと取り出し、被写体の写真を撮るまでに、今回、招集された4メーカーがどのようにかかわっているのかを見てみよう。

iPhoneでカメラアプリを起動すると、すぐさまレンズが捉えた像が画面上に表示される——実はこのわずか数ミリ秒の間にすでに今回紹介する3社がかかわっている。

我々が見ているものはすべて光。被写体がカメラに映るのも、まず最初に日光だったり照明の光があって、それが被写体から跳ね返ったものをカメラが捉えているのはご存じの通り。

その被写体からの光は、まずAGCの赤外線カットフィルターを通って赤外線成分がカットされた状態でソニーセミコンダクタ社製のCMOSセンサーに届く。CMOSセンサーは人間の目には見えない赤外線成分も認識してしまうので、赤外線成分を完全にカットしないとならない。

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