〈入園者数増の要〉東京ディズニー「Mrs. GREEN APPLE」とのコラボに秘めた「弱点の夏」克服の狙い

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2024年度のゲスト1人当たり売上高は1万7833円と過去最高を更新し、コロナ禍前(2018年度)と比べて1.5倍に拡大した。2021年3月に導入したチケット料金の変動価格制で高価格帯チケットの構成比が増えたことに加え、体験時間や入場時刻を指定して予約できる有料サービス「ディズニー・プレミアアクセス」などが貢献した。

一方で入園者数はコロナ禍前の水準を下回っている。コロナ禍前の6年間は毎年3000万人を超えており、2018年度には過去最高となる3255万人を記録した。それに対し2024年度は2755万人、今年度は2800万人の予想だ。

これはコロナ禍以降、混雑を緩和させて入園者の満足度を上げる戦略に舵を切ったことが影響している。昨年6月にTDSで新エリア「ファンタジースプリングス」が開業し、パークが大きくなる中でも入園者数の1日当たり上限を絞っている。チケット料金の変動価格制も、需要に応じて価格を変動させることで、入園者数の繁閑差を平準化する狙いがあった。

東京ディズニーランド

キーワードは「需要の平準化」

オリエンタルランドが志向しているのは、上限に到達していない日の入園者数を伸ばす「需要の平準化」だ。

同社でマーケティングやリサーチ業務に携わり、現在は東洋大学国際観光学部で講師を務める河田浩昭氏は、「年間の需要を平準化させることで、満足度を下げずに3000万人前後まで上積みが可能」とみる。

需要の平準化を目指すうえで、苦戦している夏場の集客は課題でもあり伸びしろでもある。高橋社長は「特別なチケットを考えてもいい」と語る。今夏は期間限定で、1日で2パークを行き来できる「1デーパークホッパーパスポート」を販売した。

1~3月には大学生などを対象とする期間限定の「カレッジパスポート」を割安価格で販売した実績もある。同じように対象を限定して「買い求めやすいチケット」を提供し、需要の平準化を図ることは考えられる。

本記事の詳報版は、東洋経済オンライン有料版記事「〈長期経営戦略〉オリエンタルランドが打ち出した「売上高1兆円以上」目標、東京ディズニーリゾート入園者の「数・単価・満足度」が成否を左右」でご覧いただけます。
具志堅 聡 東洋経済 記者

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ぐしかた さとし / Satoshi Gushikata

建設、ホテル、アミューズメント・レジャー業界を担当。2014年に西日本新聞社入社。経済部や国際部・釜山駐在などを経て、2023年からヤフー(現・LINEヤフー)で、Yahoo!ニューストピックスを編集。2025年に東洋経済新報社入社。学生時代には韓国と英国に交換留学。大分市出身。

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