日経平均はじわじわ上値を窺う展開になる 専門家の憶測を排し「事実」に目を向けよ

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中国はすでに世界第2位の経済規模を誇っているので、悪化の影響がゼロということはありえない。しかし市場は、悪影響の度合いが見えにくいため、とりあえず最悪のシナリオを織り込みにいった感が強い。それは単に中国関連というだけではなく、広く外需系企業に及んだようだ。

最近、特徴的な動きを見せた個別銘柄を挙げよう。たとえば米国のアップル。最近のアップル株は、終値ベースで10月23日(金)に119.08ドルの戻り高値を付けたあと、同社の中国関連収益が不安だとして、10月27日(火)まで続落し、同日は114.55ドルまで3.8%下落して引けた(ザラ場では、一時114ドル割れ)。

下押ししていた工作機械株が上昇

しかし、その日の引け後に発表された同社の7~9月期の決算内容が売上高、純利益ともに過去最高を更新し、しかも中国での売上高がほぼ倍増した(iPhone新モデル投入効果)ことから、市場に安心感が広がった。その結果、翌28日(水)は119.27ドルと、前日比4.1%の大幅反発となった。

日本ではファナックやオークマといった、工作機械メーカーが該当する。両社を含む工作機械株には、中国をはじめとする海外景気悪化懸念が重くのしかかっていた。そのため、ファナックは10月27日(火)に1万9930円まで下押ししていた。ところが、同日に今期の業績予想を上方修正したため、翌28日(水)は株価が2万0865円と前日比4.7%上昇し、週末にかけても続伸している。オークマも10月28日(水)に直近の安値881円で引けたが、同日引け後にやはり今期見通しを上方修正し、年間配当も増額したため、29日(木)は962円で引けた(前日比9.2%高の急騰)。

両社とも、決して中国関連ビジネスが好調というわけではない。ただ、市場は中国経済悪化の影響を極めて深刻だと懸念していたが、思っていたよりも企業収益の実態はマシだった、という好例だ。

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