中国当局、エヌビディア製AIチップ「RTX Pro 6000D」の購入停止と既存の注文打ち切りを要請

中国のインターネット規制当局が国内のテクノロジー大手に対し、 米エヌビディアの人工知能(AI)半導体の購入を停止し、既存の注文を打ち切るよう求めたと、事情に詳しい関係者3人を引用して英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。
FTによると、国家インターネット情報弁公室(CAC)は今週、バイトダンスやアリババグループなどに対し、「RTX Pro 6000D」のテストや注文を取りやめるよう通知。複数の企業が当初、RTX Pro 6000Dを数万個規模で注文する意向を示し、すでにエヌビディアのサーバーサプライヤーと共に試験・検証作業を開始していたが、CACの指示を受けてこれらの作業を停止したという。
また、FTによれば、中国の規制当局は最近、華為技術(ファーウェイ)や中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ)などの国内半導体メーカーや、独自チップを開発している検索大手の百度(バイドゥ)やアリババを呼び出し、エヌビディア製の中国向けチップとの性能比較について報告を求めた。
エヌビディアの株価は取引開始前の時間外で一時1%余り下落した。同業のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)株も下げた。
エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はロンドンで記者団に対し、「残念に思うが、米中の間では取り組むべきもっと大きなアジェンダがある」と述べ、「当社としては受け入れてくれる国でしかサービスを提供できない」と続けた。
フアン氏を含むハイテク企業のトップらは、トランプ米大統領に同行して英国を訪問している。この訪問では数百億ドル規模のハイテクインフラ投資計画が発表されている。
中国当局は、米国の輸出規制に準拠しつつ中国向けに設計されたエヌビディア製のAIアクセラレーター「H20」についても、特に政府に関係する目的で使用を控えるよう新たな指針で中国企業に求めたと、ブルームバーグ・ニュースが先月報じていた。
著者:Alexander Pearson
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