インド「リアルマネーゲーム禁止」で懸念される副作用、クリケット、カードゲームなどの多くの有料アプリが閉鎖されたあとに起きること

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

インドのゲームプラットフォーム「モバイルプレミアリーグ(MPL)」や競合する「ドリーム11」は近年、ファンタジークリケットゲームのユーザーに対し、賞金を提供することで人気を集めていた。プレイヤーは実在する選手で仮想の「チーム」を編成し、選手の実際の試合でのパフォーマンスに基づいてポイントを獲得するという仕組みだ。

両アプリとも禁止令の施行後、賞金が発生するゲームを中止した。

業界側はこれらのゲームについて、スキルに基づいておりギャンブルではないとの見方を示した。ギャンブルは同国で既に厳しい規制下にある。

「ギャンブル闇市場」が活発化する可能性

ファンタジースポーツや、その他のリアルマネーゲームアプリに批判的な人々は、結果をコントロールできない試合にお金を賭けることになるとして、こうしたゲームは本質的にはギャンブルであると指摘する。

モディ政権は、金銭のやり取りを伴うゲームが依存症を引き起こすとして繰り返し不満を示し、「社会悪」に取り組む義務があると主張していた。

「貯蓄を失った家庭があり、若者は依存症に陥っている。ゲームに起因する経済的苦痛により自殺したという痛ましい事例もある」とインド政府は新法に関連する声明で述べた。

世界保健機関(WHO)はゲーム依存症について、制御力を失い、日常生活よりもゲームを優先し、有害な状態でもゲームをし続けるといった特徴を挙げた。

印グルグラムにあるベンチャーキャピタル企業、エクシミウス・ベンチャーズの2024年の報告書によると、インドのゲーム人口は約4億4400万人で、うち約1億3800万人は有料ゲームをプレイしているという。

一部のユーザーは今回の禁止措置により、長期間隠れて運営されてきた「ギャンブル闇市場」が活発化するだろうと予測する。

「海外の違法ゲームにアクセスするため、仮想プライベートネットワーク(VPN)や、国外のブックメーカー(賭け屋)を使う人々がますます増えるだろう」とバルン・シャルマさん(24)は語った。シャルマさんは主にバスケットボールなどのファンタジーゲームを8年間プレイし、1回のゲームで最高120万ルピー(約200万円)を獲得したこともあるという。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事