死亡事故も発生、テスラの「ドアハンドル」が危険な理由とは?「固着する」「開かない」など不具合に関する苦情は2018年以降140件以上に
その上でマスク氏は、問題は解決したと示唆。「実質的にドアハンドルに関する事例はゼロになった」とアナリストに説明した。
しかし実際には、テスラの問題は終わりから程遠かった。同社はドアハンドルを数回設計し直し、愛好家の間で冗談の種になった。
「ご存じの通り、車がレッカー車に運ばれたり、ドアハンドルが故障して車内に入れなくなったりするまでは、本当のモデルSオーナーとは言えない」と、160万人のチャンネル登録者数を抱えるユーチューバー、リッチ・ブノワ氏は2018年に配信したよくある故障のまとめ動画で皮肉った。
マスク氏はここ数年、テスラのドアに関して公の場でほとんど発言していない。同氏や他の経営陣はブルームバーグの取材やコメント要請に応じなかった。
不具合はさておき、埋め込み式ドアハンドルは当初テスラを際立たせ、多くの競合にも採用されるようになった。
米国の車両1台あたりの不具合件数が過去最高を記録
だが、テスラの模倣は各社のブランド評価を引き下げた。JDパワーの2023年版「新車品質調査」では、米国の車両1台あたりの不具合件数が過去最高を記録。JDパワーはドアハンドルを「広がりつつある問題領域」と表現した。モデル名は特定しなかったものの、この分野で最も問題の多いモデル上位10車種のうち7車種がEVだったと明らかにした。
テスラのドアに関する苦情は、NHTSAが潜在的欠陥を特定するために利用するデータベースにも多数寄せられている。ブルームバーグが確認したところ、ドアが固着する、開かない、その他の不具合に関する消費者の苦情は18年以降に140件以上あった。類似のドアを持つ他モデルとの比較は難しいが、NHTSAは問題を認識している。
NHTSAはブルームバーグに対し、本記事で取り上げられた事例を把握しており、追加データを収集して本格的な調査が妥当かを判断するためにテスラと連絡を取っていると電子メールで説明した。消費者の苦情を継続的に分析し、公衆の安全を守るためにはちゅうちょなく行動する意向を示した。
著者:Dana Hull、Emily Chang、Kara Carlson
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら