テスラが運行、電池式列車「ギガトレイン」の正体 ベルリン工場の専用線に導入、従業員を輸送
アメリカの新大統領にドナルド・トランプ氏が就任し、1月20日に新政権が発足した。同政権で注目を集める人物といえば、トランプ氏肝煎りの新組織「政府効率化省」のトップを務める起業家、イーロン・マスク氏だろう。
マスク氏は電気自動車(EV)メーカー、テスラのCEO(最高経営責任者)として知られる。一見、鉄道とは関係なさそうに見える同社だが、ドイツ・ベルリン郊外にある巨大工場への従業員輸送用としてバッテリー駆動の列車「ギガトレイン」を導入し、自前の線路を走らせている。どんな列車なのか。
巨大工場に従業員を輸送
ベルリン東郊外・グリュンハイデに位置する「ギガファクトリー・ベルリン―ブランデンブルク」は、旧東ドイツのエリアに建設された欧州初のテスラの生産拠点。約300ヘクタール(東京ドーム64個分)の広大な敷地に約1万2000人の従業員を抱える。2022年3月に開所し、中型SUVの「モデルY」やバッテリーなどを生産している。
敷地は東ドイツ時代、西側から来る列車の乗客から市街地が見えないよう、カムフラージュのために植えられていた森林を伐採して開かれた。一説によると、この敷地ではかつて東ドイツの秘密警察「スタージ」が訓練を行っていた、あるいは東独に入る国際郵便物の検閲を行っていた、などの事実があるという。
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